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緊急事態宣言でマイナス成長懸念高まる、前回比では軽微-1〜3月期

  • 首都圏での宣言でGDP年率5%減、全国なら10%減-BNP河野氏
  • インパクトは前回の景気下振れの5分の1程度-SMBC牧野氏

新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う2回目の緊急事態宣言発令で、日本経済が再びマイナス成長に陥る可能性がある。政府は限定的・集中的な対策を検討しており、マイナス影響は前回発令時に比べると、軽微にとどまると専門家は分析している。

  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは4日付リポートで、おおむねゼロ成長を予想していた1-3月期実質国内総生産(GDP)は、1都3県への緊急事態宣言発令で前期比マイナス1%強、年率マイナス5%となる可能性があると試算した。

  菅義偉首相は4日、緊急事態宣言の検討に入ると4日表明した。経路不明の感染原因となっている飲食でのリスクを抑えることが重要とし、対策は「限定的に集中的に行うことが効果的だ」との方針を示した。FNNによれば、宣言の発令期間は9日午前0時から1カ月程度を検討している。

Prime Minister Yoshihide Suga News Conference As Japan Considering Virus Emergency

菅義偉首相

Photographer: Yoshikazu Tsuno/Gamma-Rapho/Bloomberg

  昨年4月の発令時は、外出自粛や休業要請が全国に拡大し、経済情勢は急激に悪化。同4-6月期のGDPは前期比年率29.2%減と、リーマンショック後の09年1-3月期(同17.9%減)を超えて戦後最大の落ち込みを記録した。

  BNPパリバ証の河野氏は地域や業種が限られる今回は、前回のような「激烈な落ち込みは避けられる」との見方を示した。対象地域が全国に拡大されると、前期比マイナス2%強、年率マイナス10%程度となる可能性があると分析する。

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストも、首都圏で1カ月間、発令された場合、「昨年の緊急事態宣言後の景気の下振れの5分の1程度のインパクト」とみる。2021年の実質GDPが年間で3.8兆円程度減少し、GDPを0.7%程度押し下げると試算した。

  ただ東京を含む首都圏の消費が押し下げられることの心理的影響を懸念する声もある。1都3県の総生産は、全国の3分の1。

  伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、「首都圏が経済に占める割合は大きく、全国的にもセンチメントが下がり、経済活動にも影響する」との見方を示す。

  UBS証券の足立正道チーフエコノミストは、「消費者の心理にどう影響するか予測が難しい」と述べた上で、「日本経済の回復が他の先進国よりも弱いものになることがより明確になるだろう」と語った。

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