【米国市況】株下落、コロナ感染急増で-米上院決選投票も意識
Rita Nazareth、Vildana Hajric
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4日の米株式相場は下落。新型コロナウイルスの世界的な感染急増が景気回復の足かせになるとの懸念が広がり、金融市場のボラティリティーが高まった。ジョージア州での上院議員選の決選投票を5日に控えていることも、神経質な動きにつながった。投票結果次第で、民主党が多数議席を奪還できるかどうかが決まる。
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米主要株価指標はいずれも朝方に2%余り下げた後、下げ幅を縮小したが、S&P500種株価指数はほぼ10週間ぶりの大幅安となり、2016年以来最悪の新年スタートとなった。アップルとアマゾン・ドット・コムが大きく下落。ボーイングはアナリストによる投資判断引き下げを受けて売られ、ダウ工業株30種平均の重しになった。一方、テスラは上昇。納車台数が同社目標に近かったことが好感された。シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)は昨年10月以来の大幅上昇となった。
S&P500種は前営業日比1.5%安の3700.65。ダウ平均は382.59ドル(1.3%)安の30223.89ドル。ナスダック総合指数は1.5%下落。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りはほぼ変わらずの0.91%。
オッペンハイマーのチーフ投資ストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は、「株式市場は米国と世界の経済を1年近く人質にとってきたパンデミック関連の動きに敏感な状況が続く」とリポートで指摘。「市場にとって目先のハードルは、上院2議席を巡るジョージア州決選投票の結果だ。民主党が両議席とも獲得すれば、S&P500は昨年末水準から約6-10%下げてもおかしくない」と記した。

外国為替市場ではドルが下げを埋めた。一方、ポンドは下落。ジョンソン英首相はイングランド全土を対象とするロックダウン(都市封鎖)を発表した。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ユーロは対ドルで0.3%高の1ユーロ=1.2248ドル。ドルは対円で0.1%安の1ドル=103円13銭。ポンドは対ドルで0.7%安の1ポンド=1.3571ドル。

ニューヨーク原油先物相場は反落。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の会合では生産引き上げの是非について結論が出ておらず、金融市場全般の下げにつれて原油への売りがかさんだ。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、90セント(1.9%)安の1バレル=47.62ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は71セント下落し、51.09ドル。
金スポット相場は5営業日続伸し、8週間ぶりの高値をつけた。米実質利回りが低下したことやドル軟調の見通しを受け、1オンス=1900ドルを大きく上回った。
スポット価格はニューヨーク時間午後2時42分現在、2.2%高の1940.53ドルで取引されている。一時は1944.52ドルと、昨年11月9日以来の高値をつけた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は2.7%高の1946.60ドルで終了した。
原題:Stocks Slump on Virus Spike Before Georgia Runoff: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Claws Back Loss as U.K. Enters New Lockdown: Inside G-10(抜粋)
Oil Falls as OPEC+ Extends Talks to Second Day Without Decision(抜粋)
Gold Rises to Eight-Week High on Dollar Outlook, Real Yields(抜粋)