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21年のリフレに賭けた米国債市場、1月は審判の月に-上院選など注目

  • ジョージア州で5日実施の上院選決選投票などが相場変動材料か
  • パンデミックの影響やワクチン接種の進展状況も重要な注目点に

1月は米国で芽生えたリフレトレードが2021年に実際に勢いを増すことができるかどうかが決まる極めて重要な月になりそうだ。

  債券トレーダーらは上院の支配政党と追加財政刺激策の余地も決める今週の決選投票の行方をにらみ、インフレ期待を2年ぶりの高水準に高めている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的影響の全容は依然不透明で、感染者数は急増しワクチン接種の進展は予想よりも遅い。1月20日にジョー・バイデン次期米大統領が宣誓就任した後、新政権の実態が明らかになり始める。

  米連邦準備制度による超低金利政策と資産購入を受け、米国金利のボラティリティー(変動性)が歴史的低水準付近にある中、トレーダーは1月5日にジョージア州で実施される連邦議会上院の決選投票の行方などを潜在的な価格変動材料として利用する考えだ。ユーロドル・オプション市場では過去1週間、米国債利回り上昇とイールドカーブのスティープ化で利益が出る仕組みに需要が高まった。こうした取引は民主党が決選投票で2議席を確保し上院過半数を制する場合に奏功する。

Bond-market expectations for inflation have been climbing

  ただ、バイデン氏が米大統領選挙に勝利した昨年11月初旬以来、リフレ見通しが支配的ではあるとはいえ、逆の見方を取る意欲もみられる。米10年債利回りが1%を超えないと見込んでオプションを利用した取引も最近人気の賭けだ。また、30年債先物では投機家が正味のショートポジションを減らしており、一段の利回り上昇余地は限定的との見方を示唆している。

  ソシエテ・ジェネラルの米国金利戦略責任者、スバドラ・ラジャパ氏は「大まかに言えば、利回り上昇に傾斜していくだろうが、年始の数週間はレンジから抜け出すのは難しいだろう」と予想。経済データは「現実をチェック」する機会をもたらすが、ジョージア州の上院選決選投票で民主党が勝利すれば「バイデン政権による歳出拡大の見通しを踏まえると利回りが押し上げられる可能性がある」と分析した。

  10年債利回りは昨年3月下旬以降0.5%から1%の間で推移し、先週は0.91%で終了した。

  注目すべき重要指標の1つは、債券市場価格から暗示されるインフレ期待だ。 10年物のインフレ連動債(TIPS)と通常の国債の利回り格差(スプレッド)は12月28日に1.992%に達し、2018年12月以来の高水準となった。連邦準備制度は昨年8月、低迷が続いたインフレ率が当局の目標を上回ることを一定期間容認して平均で2%を目指す方針を示しており、インフレ期待の高まりはその取り組みの鍵を握るとの見解を示している。

  また、リフレ姿勢に沿う形で、イールドカーブはここ1カ月にスティープ化した。10年債と2年債のスプレッドは85ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近くと3年ぶりの高水準。5年債と30年債のスプレッドは133bpを16年大統領選の直後以来初めて上回った。シット・フィクスト・インカム・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ブライス・ドティ氏は、TIPSのアウトパフォーマンスのように、イールドカーブは21年に一段とスティープ化する公算が大きいと話す。

原題:
Treasury Market’s Bets on 2021 Reflation Face January Reckoning(抜粋)

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