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日本株、2020年の勝ち組と負け組鮮明-新型コロナが明暗分ける

  • ゲームと電子商取引、医療関連技術が勝ち組-コロナで需要拡大
  • 鉄道や百貨店、石油株は下落-国内の移動やインバウンド旅客急減で

2020年の日本株市場では、新型コロナウイルス危機で人々が家で過ごす時間が増え、行動を制限されたことが、資産家の孫正義氏の動向に並ぶ大きな取引材料となった。新型コロナが勝ち組と負け組を分けたとも言える。

  外出自粛のトレンドはゲームメーカーのほか、ネクソンメルカリなどのオンライン小売業者にプラスに働き、公衆衛生上の懸念の高まりが製薬会社やエムスリーなどの医療関連テクノロジー各社を勝ち組に押し上げた。一方、負け組となったのは、これまで国内の移動や海外からの旅行客が追い風となっていた業種。実店舗の小売業者に加え、石油と自動車、鉄道、航空関連株も売られた。

Game, e-commerce stocks climbed in 2020; retail and railways dropped

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミストは今月のリポートで、21年の日本の力強い回復に伴い、企業間の二極化は今後さらに進むと予想。感染拡大が抑制された後も、ゲームや電子商取引、オンライン医療サービス、在宅勤務関連技術への需要が衰える可能性は低いとの見方を示した。

  SMBC日興証券は決算発表前後の2月頃から銘柄物色で転換が起きると予測。活動制限が緩和され、景気回復が広がる中、バリュー株がグロース株より「優勢」とみている。同社はさらに、21年の主要なテーマとして脱炭素化とデジタル化、事業再編を挙げた。

  20年に動きの目立った銘柄を以下に挙げる。( )内は29日時点の年初来騰落率。

勝ち組

エムスリー(199%高):

オンライン医療サービスへの投資家の関心の高まりを背景に、エムスリーは日経平均株価指数を構成する225銘柄の年初来上昇率トップとなった。同業のケアネットは500%余り上昇し、東証マザーズ指数の構成銘柄で同6位。メドピアの上昇率は340%を超え、TOPIXの構成銘柄で2位。

ネクソン(121%高)

外出自粛を余儀なくされた人々の間でビデオゲームの需要が急増。ネクソンのほか、コーエーテクモホールディングス、カプコンの株価は今年に入り2倍余りに上昇。ゲーム機メーカーも上げ、任天堂は50%高、ソニーは40%高。ネクソンは、市場の意表を突いた日経平均構成銘柄への採用や特に韓国での力強い伸びなどが追い風となった。

メルカリ(103%高)

仮想フリーマーケットを運営するメルカリは、東証マザーズ指数の構成銘柄で最大のウエートを占め、同指数の今年の上昇への寄与率は20%に上る。電子商取引ブームを背景に、ソフトバンクグループ傘下のZホールディングス(HD、36%高)のほか、ネットショップ開設やオンライン決済サービスを手掛けるBASE(464%高)、料理宅配サイトを運営する出前館(178%高)など幅広い銘柄が好調。

ソフトバンクグループ(69%高)

孫正義氏率いるソフトバンクグループは自社株買いと債務返済に向け最大4兆5000億円規模の資産売却計画を打ち出した。同社は半導体設計子会社の英アームを売却すると発表し、 アリババグループとTモバイルUS、通信事業部門ソフトバンク株の持ち分を縮小した。孫氏が株式非公開化を検討しているとの臆測につながった自社株買いの継続に加え、持続的なバリュエーション上昇、ソフトバンクグループ傘下ビジョンファンドのポートフォリオ企業の新規株式公開(IPO)が引き続き株価を押し上げる可能性がある。

負け組

三井E&Sホールディングス(59%安)、国際石油開発帝石(51%安)、日揮ホールディングス(44%安)

3社は日経平均構成銘柄の年初来値下がりトップ3。新型コロナ禍に伴う石油需要の落ち込みが響いた。20%を超える原油価格下落でエネルギー探査・生産の国際石油開発帝石の利益が損なわれたほか、三井E&Sと日揮は感染拡大によるエネルギー関連プロジェクトの遅延に苦しめられた。

三菱自動車(53%安)

新型コロナで自動車販売全般が打撃を受けたが、中でも三菱自動車の株価下落が目立つ。同社は高コストと販売低迷で今期(21年3月期)の赤字転落を見込んでいる。日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の逮捕時からルノーを含めた3社連合が揺らぐ中、日産自が保有する三菱自株の売却検討に着手したことが追い打ちとなった。

ニコン(52%安)

観光・旅行計画の減少やスポーツなどのイベント中止でカメラ需要が落ち込み、ニコンは大手日系ブランドで最大の下げ。新型コロナの影響でフラットパネルディスプレー機器の納品が遅れ、同社の他の主要事業も打撃を受けた。

J.フロントリテイリング(47%安)、日本航空(43%安)、西日本旅客鉄道 (42%安)

JRグループ各社と航空大手2社はいずれも30%を超える下げ。インバウンド旅客が急減したほか、政府の観光支援事業「Go Toトラベル」にもかかわらず、国内旅行も年内の大半の期間にわたり抑制されたことが響いた。百貨店株はJフロントが値下がりトップで低迷。紳士服チェーンの青山商事(65%安)や居酒屋チェーンのチムニー(50%安)なども軒並み下げた。

原題:
These Are the Winners and Losers in Japan’s 2020 Stock Market(抜粋)

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