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ウェルスナビ:目指すは早期黒字化と預かり資産1兆円-柴山CEO

  • ロボットで資産運用を指南、預かり資産は1-9月で66%増
  • 20年12月期は赤字の事業計画も、上場後株価は2倍に上昇

ロボットが資産運用を指南するロボアドバイザーのウェルスナビは、新規顧客獲得と既存顧客へのサポートで、早期の黒字化と預かり資産1兆円を目指す。

  柴山和久最高経営責任者(CEO)は24日のブルームバーグニュースとのインタビューで「いまのペースで事業成長を目指すと比較的早期の黒字化が可能」と話した。預かり資産は2020年1月―9月期で前年同期比66%増えたが、広告宣伝費は約30%減少し、広告宣伝費以外の費用は約15%増にとどまった。「預かり資産の増加ペースと同じペースで費用も増加しない事業構造」を実現しているという。

  22日に東証マザーズに上場した同社の株価は25日終値ベースで、公開価格の約2.1倍にあたる2363円。株価は投資家の期待の高さを映すが、20年12月期の業績計画によれば純損益は12億2000万円の赤字(前期は20億6000万円の赤字)。7日時点で預かり資産は3200億円超、口座数は35万を上回る。本当の意味での株式市場の判断はこれからだ。

Wealthnavi Inc. CEO Kazuhisa Shibayama

柴山和久CEO

Source: Wealthnavi Inc.

 

  柴山氏は、1人でも多くの働く世代の資産形成をサポートするために、直接利用の顧客を増やすほかに、証券会社や銀行など提携パートナー経由で新規利用者も増やすという。「新しいパートナーの開拓も重要。地域金融機関との取り組みもより積極的に進めていきたい」と述べた。現在のパートナー数は17社。

  柴山氏は、全体の預かり資産が増えるだけでは不十分だと話す。同社のミッション「働く世代に豊かさを」の実現のためには「1人でも多くの働く世代をサポートすることが大切で、豊かな老後に向けた資産形成をサポートすることも重要」という。

株下落の時こそ

  柴山氏は株価が下落したときこそ重要だと話す。顧客の預かり資産は、積み立てと追加入金を加えて出金を差し引くと、これまで年率2割増と実績は決して小さくない。「長期投資のサポートにも注力し、預かり資産の増加だけでも事業の成長は実現する」と話した。

  今年2ー3月にかけて新型コロナウイルス感染の拡大で株価が急落した際は、いち早く既存顧客のサポートにかじを切った。ビデオメッセージの配信や、オンラインセミナーを開催した結果、株価指数が1カ月で約3割下落した期間でも95%の顧客は1円も出金しなかったという。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一アナリストは「一度も黒字化しておらず、毎年増資して赤字補てんをしてきている」として、黒字化の見通しが立たなければ、市場の風当たりはいずれ厳しくなると話す。「特に下げ相場がくると苦しくなるのため今後は黒字化の見通しが重要」と指摘した。

  ●柴山和久(しばやま・かずひさ)氏:2000年4月大蔵省(現財務省)入省、日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画。10年11月マッキンゼー入社、ウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートし、10兆円規模のリスク管理と資産運用に携わる。15年4月にウェルスナビ設立。

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