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映画「鬼滅の刃」興行収入が歴代1位、関連株押し上げたブームいつまで

映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入は約325億円になった。2001年公開の「千と千尋の神隠し」の約317億円を上回り、国内の歴代ランキングで1位となる。コラボした商品やサービスの需要を高めた大ヒット映画が記録を塗り替えた。

  コンテンツ翻訳や海外企業との合作の仲介を手がけるアルトジャパンのマット・アルト氏は成功の理由として「元々成功していた漫画シリーズをメガヒットにする条件がそろっていた」と述べた。

  鬼滅の刃は時代劇であり少年漫画でもあるため、子供からお年寄りまでなじみやすい。アルト氏は「ドラゴンボール」や「ワンピース」、「NARUTO-ナルト-」といった成功を収めた週刊少年ジャンプの漫画と似ている要素があり、深いタイムレスな(時代を超越した)作品だと話す。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に日本でストリーミングサービスの視聴が広がったことも映画の成功につながったようだという。

キメツノミクス効果

  28日午前の東京株式市場で映画を配給した東宝の株価は3日続伸し、一時1.8%高の4355円。10月19日に4790円の年初来高値を付けてからも高値圏で推移している。コミックや書籍、映画のコンテンツに加え、コラボレーション商品などに人気は波及する。商品などを作るための原材料なども含めると効果は膨らむ。

"Demon Slayer" comic books

コミック「鬼滅の刃」

Photographer: Kyodo/AP Images

  回転ずしチェーンのくら寿司はキャラクターグッズがもらえるキャンペーンを実施し、業績へのプラス材料となった。株価は年初来高値圏の6000円台を保つ。自販機飲料メーカーのダイドーグループホールディングスも5000円台の高値圏で推移している。コラボレーションしたコーヒー飲料の販売が伸び、21年1月期の営業利益が前期比49%増になりそうだと発表していた。

  JR九州SLの臨時列車を走らせ、ローソンコラボしたキャンペーンを展開。日本郵便は絵柄に取り込んだ年賀はがきを販売した。

  鬼滅の刃による経済効果は2000億円超えると三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは試算する。今回は原作ストーリーの一部だけが映画化されたため、宅森氏は「作品内で山場はまだある、そこでまた映画が作れる。その効果が上乗せされると影響はかなり大きい」とみていた。

ブームいつまで

  株式市場では、関連企業の収益につながるコンテンツ人気の継続期待がある。岩井コスモ証券投資調査部の有沢正一部長は過熱感のあるブームは落ち着くだろうが、「あっさりと人気は衰えないだろう」と話す。キャラクターを利用すれば売り上げが伸びるサービスの開拓余地はまだあり、コロナ禍が収まった後に聖地巡りなどのツアーやキャラクターをテーマにした外食サービスなどが盛り上がると予想する。

  第2の鬼滅の刃探しも始まっている。同じ週刊少年ジャンプで連載中の「呪術廻戦」が話題だ。とはいえ、柳の下で二匹目のドジョウを見つけるのは難しい。呪術廻戦のようなホラー系の作品がサムライアクションのファンタジー作品を超えるにはハードルが高いとの見方がある。

  アルトジャパンのアルト氏は、呪術廻戦で経済効果が再び盛り上がるのは不可能ではないが、鬼滅の刃ほどの人気にはならないだろうと述べた。鬼滅の刃が幅広い年齢層から支持を集めたように、呪術廻戦ファンの裾野が広がるのを確認する必要がある。

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