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政策点検で「必要に応じ持続性や効果を高める改善を」-日銀意見

更新日時
  • ETF購入の柔軟運営求める声、より丁寧な長短金利操作が必要
  • 現行緩和の枠組みは維持すべきだ、デフレに戻さぬ決意で点検を

日本銀行が28日に公表した17、18日の金融政策決定会合における主な意見によると、ある出席者は各種政策の点検について、資産買い入れを含めた金融緩和策の効果と副作用を点検し、「必要に応じて持続性や効果を高める改善を図るべきだ」と主張した。

  会合では、新型コロナウイルス感染症の影響も加わって2%の物価安定目標の実現に時間を要するとの認識が共有される中、緩和長期化を踏まえて「より効果的で持続的な金融緩和を実施するための点検を行うことが重要だ」との意見が出た。

  点検作業に当たっては、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みは「うまく機能しているので、見直す必要はない」など現行緩和策の枠組みの維持を前提とする発言が複数あった。2%の物価安定目標やコミットメントも維持すべきとの指摘も出た。ある委員は「デフレに決して戻さないという決意の下で、点検作業をすべきだ」と主張した。

  具体的な点検内容に関しては、上場投資信託(ETF)について「財務の安定性にも配意し、市場の状況に応じた柔軟な調整の余地を探るべきだ」との意見や、柔軟運営によって持続性を高めることで経済・物価・金融情勢の変化に「効果的に対応できるよう備えておくことが必要だ」との声があった。

  長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)の運営について、緩やかなスティープ(傾斜)化が緩和長期化と金融システムの安定の両立に望ましいとし、「より丁寧できめ細かなコントロールが必要になっていく」との意見も出た。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、政策点検の公表が3月会合となることを踏まえれば、「株価対策の意味合いも含まれる」と語った。政策委員による柔軟化の意見を受けて「現行の年間約12兆円としている上限を撤廃する一方、状況に応じて必要であればいくらでも買うという方針を明確にすることが考えられる」との見方を示した。

  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、YCC運営について「多少スティープニング化を許容する可能性はある」と指摘。黒田東彦総裁がマイナス金利の見直しや現行10年となっている長期金利目標の年限短期化などを否定していることから、「10年の金利幅をもう少し動かして、振れ幅を拡大させることはあり得る」と述べた。  

  会合では、2%物価目標を実現する観点から各種の施策を点検し、来年3月会合をめどに結果を公表することを決めた。金融政策運営方針は現行の緩和策を継続。企業の資金繰り支援のための新型コロナ対応プログラムの期限は同年9月末まで6カ月間延長した。

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