【米国市況】主要株価指数が軒並み最高値、経済対策法を歓迎
Vildana Hajric28日の米国株式市場ではS&P500種株価指数とダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数がそろって過去最高値を更新した。追加経済対策法案と2021会計年度(20年10月-21年9月)歳出法案に、トランプ米大統領が一転して署名したことから買いが入った。米国債は小動き、ドルは堅調となった。
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米経済対策法の成立を米投資家は歓迎し、新型コロナウイルスの感染拡大が加速する中でも市場は過去最高値を更新する楽観を取り戻した。トランプ氏が要求する個人向け直接給付額の2000ドルへの引き上げは、上下両院で承認される可能性が低いとみられているものの、ゴールドマン・サックス・グループはこれを理由に1-3月期(第1四半期)米経済成長見通しを上方修正した。
S&P500種は前営業日比0.9%上昇の3735.36。ダウ平均は204.10ドル(0.7%)高い30403.97ドル。ナスダック総合は0.7%上昇。
エバコアISIのストラテジスト、デニス・デブシェール氏は経済対策法について、「個々に著しい影響を及ぼすに足りる規模だ」と評価。直接給付を巡る「失望」といった雑音ではなく、「サービスセクターを中心に、来年の経済が力強く回復するお膳立てが整ったことに注目してほしい」と語った。
アリババグループは自社株買いプログラムを100億ドルに拡大するとの発表もむなしく、香港市場で急落。独占的慣行を巡る中国当局による調査で、投資家の不安が続いている。コロナウイルス関連では感染力が強いとされる変異種への対策で、行動制限を強化する国が相次いだ。欧州連合(EU)は、先週承認したばかりのファイザーとビオンテックのワクチンの接種を全域で開始した。

外国為替市場では円が下げてドルが上昇。米経済対策法の成立でリスク志向が高まり、米国債利回りが一時上昇した。
ドル指数は経済対策法案の大統領署名で一時、0.3%下げていたが、薄商いの中でプラス圏に浮上した。欧州連合(EU)との貿易協定が英経済に及ぼす影響が懸念され、ポンドは軟調。一時は1%下落。英国でウイルス感染が急増したことも嫌気された。
ニューヨーク時間午後4時40分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対円で37銭(0.4%)高い1ドル=103円80銭。ユーロは0.15%上昇の1.2211ドル。
米国債相場は2年債と5年債の入札を通過して、下げ渋る展開。利回りは前営業日とほぼ変わらず。年末年始を控え、先物の商いは薄い。10年債利回りは0.92%。29日には7年債の入札がある。

ニューヨーク原油先物相場は反落。原油市場の関心は米経済対策法の成立よりも、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成する「OPECプラス」による供給増加の可能性に向けられた。ロシアのノバク副首相は1月の次回会合でさらなる段階的生産増加を支持する計画だと述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、前営業日比61セント(1.3%)安い1バレル=47.62ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント2月限は43セント下げて50.86ドル。
ニューヨーク金先物相場は小幅反落。ドルが軟調から反転するのに伴い、金スポット価格は下げに転じた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前営業日比0.15%安の1オンス=1880.40ドルで終了。スポット価格はニューヨーク時間午後2時前の時点で0.3%安い1878.43ドル。一時は0.9%上昇する場面もあった。
原題:Stocks Rally to Records as Investors Cheer Aid: Markets Wrap(抜粋)
Greenback Firms as Upbeat Sentiment Undercuts Yen: Inside G-10(抜粋)
Treasuries Cheapen Slightly on Muted Volumes; Steepening Fades(抜粋)
Oil Slides With Supply Risks Countering Boost From Stimulus(抜粋)
Copper Gains While Gold Slips After Trump Signs Virus Aid Bill(抜粋)