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見逃していませんか、今年の明るい話題-コロナ禍でも希望の光

  • 短期間でのコロナワクチン開発、がんや心臓病など治療法発見に期待
  • 在宅勤務長期化で働き方改革進む可能性、人権や環境面でもプラス

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新型コロナウイルス禍で死や苦しみ、景気悪化、政治的混乱といった暗いニュースが毎日続いている。約100年で最悪の公衆衛生上の危機の渦中にあっても、安堵(あんど)や喜びをもたらしたり、少なくとも慎重な楽観につながったりする出来事もあったことを思い出してみよう。

  来年に希望が持てる今年の明るい話題を以下に紹介する。    

短期間でのワクチン実用化:

NHS England Starts Covid-19 Vaccination Campaign

米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナワクチンの接種を英国で最初に受けたマーガレット・キーナンさん(90歳)

写真家:ゲッティイメージズヨーロッパ

新型コロナワクチンが実用化にこぎ着けるまでにかかった時間は1年足らずと、ワクチン開発史上でも異例の早さだった。ドイツのビオンテックと組むファイザーのほか、モデルナアストラゼネカとオックスフォード大学、中国医薬集団(シノファーム)などが数十億人もの人々を救うワクチンの開発に懸命に取り組んだためだ。さらに、ファイザーやモデルナがメッセンジャーRNA(mRNA)技術を用いて体内で人工的にウイルス構成物質を作り出すことに成功したことで、将来的にがんや心臓病などの治療法発見につながると期待されている。

大掛かりな在宅勤務の実験:

Working From Home And Learning Remotely As Cases Drop In Florida

パンデミック後の世界で在宅勤務の常態化も

写真家:Jayme Gershen / Bloomberg

育児との両立や長時間労働、テクノロジーや高速インターネットへのアクセスのばらつき、精神的ストレスといった問題もあり、全てが順風満帆だったわけではないが、数億人もの人々が在宅勤務をどうにか1年近く続けてきた。こうした勤務形態の急激なシフトで、パンデミック(世界的大流行)後の働き方を世界的に見直さざるを得なくなっている。フレックスタイム制や通勤・出張の減少、在宅とオフィスで勤務時間を分ける形態がニューノーマル(新たな常態)となる可能性がある。

巨額の刺激策:

Restaurants Get Creative To Entice Back Diners With Subsidy

ロックダウン時の企業の痛みを和らげる上で刺激策が寄与

写真家:ジェイソン・アルデン/ブルームバーグ

2008年の世界的金融危機時の対応とは異なり、各国・地域の政府と中央銀行は雇用と経済を守るためかつてない規模の支援措置を講じた。投じられた財政・金融両面の支援は計20兆ドル(約2072兆円)超に上る。フランスや英国など一部の国では、そうした措置が失業率を押し下げ、住宅市場や企業を下支えしている。

LGBTQの勝利:

COSTA RICA-RIGHTS-LGBT-MARRIAGE

コスタリカが同性婚を承認した直後に同国で結婚式を挙げたカップル

写真家:Ezequiel Becerra / AFP / Getty Images

コスタリカは5月に同性婚を合法化した。世界で28カ国目となる。その2カ月後、モンテネグロはバルカン半島で初めて同性婚を認めた。米最高裁は6月、性的少数者(LGBTQ)も雇用差別から法で等しく守られるべきだとの判断を示した。ただ、中小企業は対象外とした。米国では過去最多のLGBTQ候補者が選挙に出馬し、トランスジェンダーの州上院議員が同国で初選出された。

(つかの間の)環境回復:

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観光客がいなくなり、カメやイルカが戻ってきた

写真家:Mladen Antonov / AFP / Getty Images

観光業と製造業の低迷で経済は打撃を受けたものの、人の流れや工場の稼働が一時的に止まったことが環境にとってはプラスとなった。大気汚染が劇的に減少し、静かになったタイのビーチにはカメとクジラが戻ってきた。香港では、フェリーの運航減少後、姿を見せる絶滅危惧種のピンクイルカが増えたという。人間のプレゼンスが低下すれば、生態系が急速に回復する可能性が示唆された。

エネルギーシフト:

Residential Solar Power Installation In Germany

太陽光は現在、世界の大部分の地域で最も安価な電力源の1つ

写真家:Rolf Schulten / Bloomberg

コロナ禍で旅客機の運航はかなり停止され、自動車の利用も減少、人々は外出を自粛。それに伴いクリーン電力へのシフトが加速している。原油需要は急減し、石油時代の終わりを主張する専門家もいる。稼働停止で電力需要が抑制され、一部の送電事業者の間では再生可能エネルギーの中でもより安価な風力や太陽光への切り替えが進んでいるとブルームバーグ・ニュー・エナジーは伝えた。

グリーン化の取り組み:

Sneak Oil Peak

大気汚染が深刻な中国は、二酸化炭素(CO2)排出量を2060年までに実質ゼロにすることを目指すと表明。日本と韓国も同様の方針を打ち出した。多くの都市や州、国が化石燃料車の新規販売を段階的に停止する目標を掲げている。米主要銀行は北極圏での石油探査プロジェクトへの融資停止を約束。世界最大の資産運用会社ブラックロックは、気候変動問題を自社の投資戦略の中心に位置付ける方針だ。

テクノロジーが世界を結ぶ?:

Yandex NV Tests Autonomous Delivery Robots on Russian Streets

ロシアで食品を配達中のロボット

写真家:アンドレイ・ルダコフ/ブルームバーグ

人々をバーチャールに結び付けるテクノロジーなしのロックダウン下の生活を想像できるだろうか。家庭料理の腕を磨いてインスタグラムやユーチューブなどのプラットフォームで披露する人もいれば、ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」で仮想サファリを始めたり熱帯の島に集まったりするインターネットユーザーもいる。また、室内にとどまる人間に代わり、ドローンや自律型ロボットが緊急医療物資や食料品などの配達に活用されている。

各界で新たな発見:

NSW Works To Save The Koala As Bushfires, Habitat Loss And Disease Threaten Future Of Australia's Iconic Animal

ニキビ用クリームがコアラの病気治療の鍵を握る可能性

写真家:リサマリーウィリアムズ/ゲッティイメージズ

科学の世界に興奮をもたらしたのはワクチンだけではない。人間のニキビとコアラのクラミジアの両方を治療できる抗生物質のほか、先史時代の南極大陸に熱帯雨林があった証拠、2500年前の古代エジプトの墓、金星の大気中に生命活動の可能性がうかがわれる兆しも発見された。

原題:
The Good News You Might Have Missed in 2020(抜粋)

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