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シティ誤送金「あすはわが身」と銀行警戒-協調融資の事務代行敬遠も

  • 大失敗を防ぐため、銀行は内部統制を強化することが予想される
  • 借り手や貸し手との関係強化に役立つだけなら事務代行業務を敬遠も

米銀シティグループが、米化粧品メーカーのレブロン向け融資に関係する事務代行で誤送金した9億ドル(現在の為替レートで約930億円)のうち、戻らない資金の返還を裁判所が命じるかどうかにかかわらず、金融業界が内部統制の見直しを迫られることは間違いない。

  今回の誤送金はさらに1兆ドル余りの規模を擁するシンジケートローン(協調融資)市場に後々まで影響を及ぼし続ける可能性がある。

  レブロンの債権者の資産管理を行う運用会社10社を相手取り、シティ傘下のシティバンクが起こした訴訟は、6日にわたる審理を終え先週結審した。シティ側は、8月に実行された桁外れの額の送金が間違いだったと運用会社は承知していたか、承知していたはずだと主張した。

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  シティは融資の事務代行の過程で、本来予定していた利払いの代わりに未返済金の9億ドル全額を送金。このうち戻らない約5億ドルの返還を求め、マンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地裁に提訴した。

  シティが敗訴すれば、シンジケートローンの事務代行業者のリスクが高まる。仮に勝訴したとしても、銀行は今回のような大失敗を防ぐため内部統制を厳格化することが予想され、事務代行業務が特に大きな利益につながらず、借り手や貸し手との関係強化に役立つだけなら完全に敬遠することもあり得る。

  運用会社側の代理人を務めるクイン・エマニュエル・アークハート&サリバン法律事務所の弁護士らとシティは、訴訟に関するコメントを控えている。

  連邦地裁のジェス・ファーマン検事は結審に当たり、「これがブラック・スワン・イベント(確率は低いが発生すれば壊滅的な損害をもたらす事象)だとしても、金融業界はこの種の事態への対処法を見いだすべきだ」とウォール街に苦言を呈した。

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  ブルームバーグ・インテリジェンスのシニア訴訟アナリスト、エリオット・スタイン氏は「過去の判例は決済の確定を重視し、それは債権者側に有利に働くため、実際のところかなり際どいケース」としながらも、「判事がこの件を事実に基づき区別し、シティに有利な判断を示す余地も十分ある」と指摘した。

原題:Citi Trial Puts Banks on Notice to Ensure They’re Not Next (1)(抜粋)

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