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米国の富裕層が資金移動に大慌て、バイデン政権下での増税警戒

  • 年末控えアドバイザーに助言求める顧客殺到
  • 不動産鑑定依頼は4倍増、11月下旬から依頼断る-ミラーS

米国の富裕層はバイデン次期大統領と議会民主党による来年の増税や、税制の抜け穴解消に向けた動きに先んじようと、年末を控えて大規模な取引を急いでいる。

  一部のアドバイザーによると、2020年最後の数週間は、資産を次の世代に非課税で譲渡できるうちに実行したい顧客を支援する業務などで、かつてない忙しさだという。相続計画戦略で利用される資産評価に不可欠な鑑定士にも問い合わせが殺到している。

  ニューヨークの不動産鑑定会社ミラー・サミュエルのジョナサン・ミラー社長は、鑑定依頼が4倍に拡大し、11月下旬までには依頼を断らざるを得なくなったという。

  ミラー社長は「現時点では、年末の期限には物理的に対応できない」と述べ、感謝祭の祝日の後からこうした状態が始まったことを明らかにした。

  共和党は議会選挙で予想以上に善戦したため、多くのアドバイザーにとって年末のこうした慌ただしさは想定外だった。選挙結果からは、バイデン政権が富裕層向け増税公約を果たすには困難を伴う可能性が示唆されていた。

  ただ、来年1月5日にジョージア州で行われる上院選2議席の決選投票で勝利すれば民主党が上院で50議席を獲得する可能性はまだあり、ハリス次期副大統領の決定票を含めると民主党の上院支配が実現する。

  民主党がジョージア州の2議席をいずれも獲得した場合でも、大幅な税制改正を成し遂げることは極めて困難と指摘する会計士もいるが、裕福な納税者が年末までに動こうとする最大の理由は、バイデン政権下での税制改正が21年初めにさかのぼって適用されかねないためだ。

  トランプ大統領の署名で成立した共和党主導の税制改正では、遺産税と贈与税の基礎控除額が倍増したが、そうした条項は26年に失効する。

原題:Wealthy Americans Fearing Higher Taxes Hurry to Move Money Now(抜粋)

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