英EU通商交渉、ジョンソン首相が土壇場で新提案-漁業権で譲歩示す
Ian Wishart、Alberto Nardelli、Ania Nussbaum-
EUによる英水域での年間漁獲高3分の1削減が英国の新提案
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EUの交渉担当者は英国からの新たな提案を加盟各国と協議
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欧州連合(EU)と英国との自由貿易協定(FTA)締結交渉は、漁業権に関する英国からの新たな提案をEU側が検討している。
双方とも週末には新たな譲歩は難しいことを示唆していたが、交渉に詳しい関係者によると、英国は21日、EUが他の分野で折れるのを条件にさらなる譲歩を申し出た。英国は最新の提案で、EUによる英水域での年間漁獲高(金額ベース)を約3分の1減らすことを求めているという。先週の段階では英国は、漁獲高の60%削減をEUが受け入れるよう主張していた。
EU側は18日、25%削減がEUとしての最終提案であり、フランスやデンマークなどにとっては、この水準がすでに受け入れ困難だと説明していた。EUは当初、18%の削減案を示していた。関係者によると、欧州委員会は英国からの新たな提案に回答する前に、特に大規模な水産業を抱えるEU加盟各国の政府と連絡を取り合っている。
新たな取り決めの段階的導入期間については、英国は7年ではなく5年を受け入れるようEU側に求めているという。EUは当初10年をかけた段階的調整を主張し、英国は3年を求めていた。
ジョンソン首相はロンドンでの記者会見で、マクロン仏大統領と21日に話したが、内容は通商交渉ではなく、新型コロナウイルス危機についてだったと述べた。
英政府は同日これより先、12月31日で終了するEU離脱後の移行期間を延長する意向はないことをあらためて表明した。
原題:
Johnson Makes Last-Ditch Push for Brexit Deal With Offer on Fish(抜粋)