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来年度予算は3年連続100兆円超、新型コロナで遠のく財政健全化

  • 新規国債発行が当初ベースで11年ぶり増加、国債依存度は4割超
  • 市場予想上回る実質4%成長見込む、景気回復が税収確保の鍵に

政府は21日、2021年度一般会計予算案を閣議決定した。新型コロナウイルス感染症対策により、当初予算ベースでは過去最高の106兆6097億円と3年連続で100兆円を上回った。歳出と減少が見込まれる税収との格差が広がり、財政健全化は一段と遠のく形となった。

歳出の内訳
  • 一般歳出66.9兆円、うち社会保障35.8兆円、予備費5兆円
  • 地方交付税交付金15.9兆円
  • 利払い費に当たる国債費23.8兆円(積算金利1.1%)

当初予算、過去最大106.6兆円

補正予算で上振れ、20年度は175.7兆円へ

出所:財務省(19年度までは決算、20年度以降は当初予算ベース)

  企業業績や雇用・所得情勢の悪化が見込まれる中、税収は20年度当初比で6.1兆円減少する。景気悪化を受けて減額修正した3次補正後との比較では2.3兆円増。追加経済対策の効果を織り込み、税収の前提となる21年度の政府経済見通しは実質成長率4%とブルームバーグ集計のエコノミスト予想中央値(3.5%)を大幅に上回り、今後の景気回復が税収確保の鍵となる。

歳入の内訳:
  • 税収57.4兆円、うち消費税20.3兆円、所得税18.7兆円
  • 新規国債発行43.6兆円、公債依存度40.9%

税収は60兆円下回る、2年連続

減額補正後では増加見込む、景気回復がカギ

出所:財務省(19年度までは決算、20年度は補正後予算、21年度は当初予算ベース)

  財源不足を穴埋めするための新規国債発行額は、当初予算段階としては11年ぶりに増加した。公債依存度の上昇により財政は一段と悪化し、25年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の達成は遠のく見通しとなった。

当初予算の新規国債、11年ぶり増加

国債発行総額は236.0兆円、当初で過去最高

出所:財務省(19年度までは決算、20年度は補正後予算、21年度は当初予算ベース)

財政指標:
  • 基礎的財政収支(PB)の赤字20.4兆円(前年度当初比10.7兆円悪化)
  • 国・地方合わせた長期債務残高1209兆円、対GDP比は216%

  「第2の予算」と呼ばれる財政投融資計画は40.9兆円と、当初予算としての過去最高を更新。新型コロナの影響を受けた事業者への資金繰り支援や大学ファンドの運用原資などに、融資や出資の形で有償資金を供給する。財政投融資の財源に充てる財投債や借換債を含む国債発行総額は236.0兆円と、当初予算では過去最高となった。

  麻生太郎財務相は閣議後会見で、「新型コロナの感染拡大が見られる中、感染拡大の防止と経済再生と財政健全化のバランスを取らねばならないというのが最も難しい予算編成の過程だった」と述べた。デジタル化やグリーン社会の実現など中長期的な政策課題に必要な予算措置が講じられた点は評価した。

(麻生財務相のコメント、財政投融資の段落を追加して更新しました)
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