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米国債利回りに急上昇リスク-FRBは債券購入の見直し先送り

  • 債券購入の微調整は2021年に「実際的にも政治的にも」より困難に
  • 10年債利回りは1.3-1.4%に到達も-ブラウン・アドバイザリー

米連邦準備制度理事会(FRB)が債券購入プログラムを手直しする機会は狭まりつつあるようで、米国債利回りは大方の予想よりも速いスピードで上昇するリスクがある。

  2020年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは購入対象を期間が長めの国債に傾斜しないことを決めた。比較的長期の金利を抑制し得るこうした措置にいずれ踏み切る可能性を排除はしなかったものの、1月5日にジョージア州で実施される決選投票の結果、民主党が上院を制すればさらに大型の経済対策が浮上することも考えられることから、FRBの見直しは正当化されにくくなる恐れがあるとみる投資家もいる。

  FRBが長期の借り入れコストを抑制するため、ある時点でより公然と行動するかもしれないという単なる可能性が利回り曲線の長期の部分の抑制につながってきた。これは経済対策協議の進展やFOMCの据え置き決定の後も10年債利回りが1%未満にとどまった背景にある大きな要因だ。そうした政策の選択肢が完全に消えた場合、金利が上昇する余地は十分にある。

  ブラウン・アドバイザリーで1000億ドル(約10兆3000億円)の運用管理に携わるポートフォリオマネジャー、トーマス・グラフ氏は、長期債へのシフトは2021年が経過するにつれ「実際的にも政治的にも困難になり、市場にとって意味が薄れる」と指摘。「市場は 『景気が回復しているから金利が上昇している』と言うだろうし、好意的に受け止めないだろう」と付け加えた。

Ten-year Treasury rate misses elusive level even after Fed decision

  FRBは個人や企業の借り入れコスト抑制に向け長期金利を低く抑えたい意向。金利が上昇すればコロナ禍による景気低迷からの回復を脱線させかねないためだ。だが、景気改善やインフレ率上昇への妥当な反応であれば、利回り上昇にあらがう可能性は低くなる。

  ブルームバーグ調査の予想中央値によると、現在約0.95%の10年債利回りは年末に1%未満の水準で、21年末には1.25%に上昇すると見込まれている。一方、来年の米経済成長率は約4%に回復する見通し。

  ブラウンのグラフ氏によると、FRBが債券購入の加重平均満期(WAM)延長の選択肢を排除すれば「長期債利回りの上昇に天井がなくなり」、経済の前向きな勢いに支えられ10年債利回りは来年、1.30-1.40%に達する公算が大きいという。

  今週の米国債市場はクリスマスの祝日に伴い24日は短縮取引、25日は休場となる。

原題:
Yields at Risk of Shooting Up as Fed Defers Bond-Buying Changes(抜粋)

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