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新型コロナで「弱み露呈」、米で証券業務強化へ-三井住友F社長

更新日時
  • 投資銀行業務が明暗、大手との業務提携も選択肢に早急に対応必要
  • アジアでは出資候補先をリストアップ、買収も視野に具体的検討入る

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三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、新型コロナウイルスが影響した経営環境下で同社の「弱みが露呈した」と考えている。低金利政策がもたらした米資本市場の活況を十分に取り込むことができなかったからだ。

  「こういう環境でも稼げるポートフォリオを持っておくべきだ」。太田氏は11日のインタビューで新型コロナによる教訓をこう語った。対応策として考えられるのは業務提携による米証券業務の強化で、「早急な手当てが必要」との認識を示した。米大手投資銀行なども提携対象の選択肢に含まれるとしている。

Sumitomo Mitsui Financial Group CEO Jun Ohta Interview

三井住友フィナンシャルグループ太田純社長

Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

  新型コロナが市場を直撃した上半期は、国内外で融資を中心とした商業銀行が苦戦する一方、債券引き受け(DCM)やエクイティ引き受け(ECM)を中心とした投資銀行業務に強い金融機関が収益を拡大。明暗が分かれた。

  三井住友Fは、海外で銀行と証券業務を融合した「CIBビジネス」の高度化に取り組んでおり、米国中心の証券業務強化を課題としてきた。新型コロナ禍では、米国での社債発行の増加を受けてDCMやデリバティブ収益を伸ばしたが、太田氏は「銀行の顧客基盤を生かしきれていない」として取り込みが不十分だったとの認識を示した。

足かせ

  海外証券業務の強化には、企業の合併・買収(M&A)などを通じて外部事業を取り込むという選択肢があるが、同社の場合は傘下の三井住友銀行が2019年4月にニューヨーク連邦準備銀行と交わした合意書が米市場での買収や出資の足かせとなっている。

  合意書では、マネーロンダリング(資金洗浄)防止に関する内部管理体制が不十分として改善措置を求められており、米国証券会社などの買収には慎重にならざるを得ない。

  太田氏は「すぐに動けないことは、痛恨の極み」であるとし、内部管理体制が当局に認められるまでは、買収ではなく業務提携を検討していると述べた。同社が持つ顧客層と証券会社の持つ専門性との融合は有効と考えており、「バルジブラケット」と組むことも選択肢として除外しない意向を示した。

  バルジブラケットは、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど米系の巨大投資銀行を指し、コロナ禍でも資本市場の活況を取り込み好調な業績を上げている。

アジアでは出資候補先をリストアップ

  アジア地域の事業展開については、ベトナムやフィリピン、インドで提携や出資が可能な銀行をリストアップしており、個別に具体的な検討を進めていることを明らかにした。

  太田氏は以前から、国内総生産(GDP)が伸びている国での商業銀行の買収を選択肢にすると述べており、アジア地域での総合金融サービス提供に向け、過半数の出資も視野に模索する。

  同社は、08年にベトナムのエグジムバンクを持分法適用関連会社化した。インドネシアでは、40%出資していた年金貯蓄銀行(BTPN)を19年に連結子会社化の上、現地法人と合併させるなどアジア地域での存在感を高めてきた。

  買収先銀行を中核とした事業基盤の強化はインドネシアで進捗(しんちょく)しており、ホールセールでは証券やリース、リテールでは資産運用などを展開。新型コロナ感染拡大による非対面の需要の高まりで、BTPNのデジタルバンキング預金残高は22年12月に19年12月比で約3倍の1580億円を見込む

自己株買い「できればやりたい」

  また、太田氏は自己株取得について、新型コロナの影響を見極めたいと述べた。ただ、株価は割安な水準にあるとして「今は自社株を買うのが一番よい投資だというのも分かっている」と述べ、「できればやりたい」との思いもにじませた。19年度は約1000億円の自己株取得を実施していた。

(最終段落に自己株買いについてのコメントを追加します)
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