【米国市況】S&P500が続落、コロナ変異種を警戒-原油急落
Vildana Hajric1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。
21日の米株式相場はS&P500種株価指数が続落。新型コロナウイルス変異種の感染拡大が警戒され、ロックダウン(都市封鎖)や渡航制限が広がる中で世界的に株安となった。
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S&P500種は、この日から指数構成銘柄に採用されたテスラの6%を超える下げも重しとなった。一方、ダウ工業株30種平均は小幅ながらプラスを確保。米金融当局が大手銀行による自社株買いの再開を承認したことで、ゴールドマン・サックス・グループが急伸した。
S&P500種は前週末比0.4%安の3694.92。ナスダック総合指数は0.1%低下。ダウ平均は37.40ドル(0.1%)高の30216.45ドル。ニューヨーク時間午後4時49分現在、米国債10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.94%。
欧州ではストックス欧州600指数が10月以来の大幅安を記録しており、S&P500種やナスダック総合の下げはそれに比べれば小幅だった。

米議会指導者が追加経済対策で合意に達したことや、欧州連合(EU)当局によるファイザー・ビオンテック製ワクチンの条件付き製造販売承認など、この日は強気派を支える材料も幾つかあったが、英国で感染が拡大する新型コロナ変異種への警戒が相場を押し下げた。
ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同最高投資ストラテジスト、エミリー・ローランド氏は「財政刺激策は明らかに相場材料として弱まり、新型コロナの状況が市場の方向感を決めている」と指摘。「高リスク資産はこれまで感染状況の悪化を受け流してきたが、ここにきてやや脆弱(ぜいじゃく)性を見せている」と述べた。
外国為替市場ではポンドがドルに対し下落。早い時間では英国内の食品供給が混乱に陥る可能性を背景に大幅安となっていた。欧州連合(EU)と英国との自由貿易協定(FTA)締結交渉で、英国が漁業権に関し新たな譲歩を申し出たと関係者が明らかにした後、下げの一部を埋めた。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。一時1.4%上昇していたが、徐々に上げ幅を縮めた。ドルは対円では0.1%未満高い1ドル=103円32銭。ユーロは対ドルで0.2%安の1ユーロ=1.2235ドル。ポンドは対ドルで0.5%安の1ポンド=1.3462ドル。
ニューヨーク原油先物相場は6週間ぶりの大幅安。英国での新型コロナ変異種の感染拡大で欧州でロックダウン措置が広がり、渡航や物流が世界的に制限されるとの懸念が背景にある。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は1.36ドル(2.8%)安の1バレル=47.74ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント2月限は1.35ドル安の50.91ドル。
ニューヨーク金先物相場は続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は0.3%安の1オンス=1882.80ドルで終了。金スポット価格はニューヨーク時間午後3時31分現在、0.3%安の1879.50ドル。一時1900ドルを突破して11月上旬以来の高値となっていたが、リスク回避ムードを背景とした換金売りで下げに転じた。
原題:S&P 500 Slumps on Virus Angst After European Rout: Markets Wrap(抜粋)
Pound Pares Drop Amid Last Minute Brexit Fish Offer: Inside G-10(抜粋)
Oil Slides With New Virus Strain Threatening Global Movements(抜粋)
Copper Slips From 7-Year High as Virus Woes Outweigh Stimulus(抜粋)