シタデルはリスク警戒、テスラ採用はS&P500種に災いもたらす
Lu Wang (News)米電気自動車(EV)メーカー、テスラがS&P500種株価指数に採用されるという歴史的な出来事は、その他の構成企業と株主に災いをもたらす可能性がある。
シタデル・セキュリティーズのポートフォリオ取引責任者、グレッグ・サットン氏によると、S&P500種に連動するインデックスファンドはテスラ株700億ドル(約7兆2400億円)余りを買って、既存構成銘柄の株式を同程度売る構えだ。この強い売り圧力が混乱を招く恐れがあると同氏は警告した。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスはテスラを21日の寄り付き前に、S&P500種指数の構成銘柄に一括採用することを決めた。そこで危惧されるのは、構成銘柄の多くの商いが低調で、急激に増えた供給を吸収できなくなる可能性だ。
サットン氏は「一括採用の場合、資金調達トレードで売却が必要になる銘柄が増え、特に流動性の低い銘柄に大きな影響をもたらしかねない」と電話取材で指摘。「市場はそれを消化できるが、流動性に影響が出る可能性はある」と語った。
S&P500種の構成銘柄入れ替えは頻繁にあるが、テスラの場合は時価総額6000億ドル超という並外れた規模のために、不確実性がいつになく大きい。テスラと入れ替わりで除外される不動産投資の米アパートメント・インベストメント・アンド・マネジメントは、規模がテスラの足元にも及ばず、他のどの構成銘柄にしわ寄せが行ってもおかしくない状況だ。

ブログ「マクロツーリスト」のケビン・ミュア氏によると、強い売り圧力が予想される銘柄にはバークシャー・ハサウェイやプロクター・アンド・ギャンブル、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどがある。

18日の米株式市場でテスラ株は一時、前日比4.4%上昇。S&P500種のテスラ採用が発表されてからでは60%余り値上がりしている。
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原題:Citadel Securities Trading Chief Sees Tesla Creating Risk in S&P(抜粋)