ドル・円上昇、ドル全面安の流れが一服-日銀会合結果の反応は限定的
野沢茂樹
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。米金融緩和の長期化観測を背景としたドル安の流れが一服し、幅広い通貨に対してドルが買い戻されたことに加え、国内輸入企業などからのドル買いも出た。日本銀行が正午過ぎに発表した金融政策への反応は限定的だった。
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市場関係者の見方
ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリスト
- 幅広い通貨に対するドル安が進んできたが、今日は国内勢のドル買いに加え、週末とあって短期筋のドル買い戻しも出ている。特に大きな材料が出たわけではない
- ドル・円は50銭刻みのキリの良いポイントを目安にするしかない状況。場の空気を読みながら追いかけていくしかない
- 黒田東彦総裁は記者会見で各種施策点検で具体的に何をやるかには言及しないだろう。日銀に残されたカードが少ないので、市場での追加緩和観測も盛り上がりを欠いている
ドイツ証券の外国為替営業部の小川和宏ディレクター
- 米金融緩和の長期化方針を受けたドル安の流れは今後も変わらないが、きょうはドル売りが一服している状況
- 実質的に商業決済が集中しやすい五・十日に当たるため、輸入企業などのドル買いが出たこともドル・円の反発に寄与
- 日銀金融政策の現状維持を受けた市場の反応は乏しい。ただ、来年3月会合をめどにした各種施策の点検については指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れの手法見直しなどにつながる可能性があり、黒田総裁の記者会見に注目したい
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