, コンテンツにスキップする

豪州からの輸入制限、中国はあの手この手-口頭指示や個別企業標的も

  • 大麦への追加関税は明確な措置-豪政府も対応可能
  • 衛生や害虫懸念を挙げて輸入阻止-口頭指示など不明瞭な措置も

中国は今年に入り、関係が悪化しているオーストラリアからの多額の輸入を妨げる貿易制限措置を相次ぎ講じてきた。

  豪州産の牛肉や大麦、石炭、ロブスター、ワイン、木材を対象とした制限措置はさまざまな形態で導入されている。大麦に対する反ダンピング(不当廉売)・反補助金の追加関税は明確であり、豪政府はこの件を巡り世界貿易機関(WTO)に提訴した。

オーストラリア、WTOに提訴へ-中国の大麦追加関税巡り

  一方、口頭での指示や個別企業を対象とした禁止措置など不明瞭なものもある。例えば、中国は豪州産石炭の輸入制限を公式に認めることさえしておらず、豪政府が正常化を探ろうとしても道筋がはっきりしない。一部の豪産品については、衛生や害虫を巡る懸念を挙げて輸入を阻止している。中国側は法律や国際慣行に従って行動しているとの説明を繰り返すばかりだ。

  以下に中国が豪州からの輸入制限に踏み切った産品とその手法を挙げる。

石炭

  事情に詳しい複数の関係者が10月に明らかにしたところによると、中国は発電所や鉄鋼メーカーに豪州産石炭の輸入を一時停止するよう書面ではなく口頭で指示。このため、停止措置がいつまで続くのかや既存の長期契約にどのような影響が及ぶのかを巡り不透明感が漂っている。

Australia's slice of China's coal market has shrunk to less than 20%

  共産党機関紙・人民日報系の環球時報は中国当局が豪州産を除いて制限なしで石炭の輸入を公益企業に認めたことから、豪州からの石炭輸入停止が正式に決まったことを13日に示唆していたが、当該記事はその後削除された。

中国が石炭輸入禁止ならWTOルールに抵触も-モリソン豪首相

大麦

  中国は5月に豪州産大麦に対する反ダンピング・反補助金措置で計80%を超える5年間の相殺関税を発動。豪州は12月16日、これについてWTOに提訴することを明らかにした。紛争解決には2、3年程度を要する可能性があるが、中国の関税が「事実や証拠によって裏付けられていない」ことをWTOに認めてもらいたいとバーミンガム豪貿易・観光・投資相は述べた。

  一方、中国は豪政府の決定に遺憾を表明。WTOの紛争解決手続きに従って今回の事案に対処する方針を示した。

中国、豪州産大麦に5年間の反ダンピング関税-19日発動

ワイン

  中国による輸入制限で注目される別の標的は豪州産ワインだ。中国側は反ダンピング・反補助金で計218%を上回る追加関税を課す構えで、4-9カ月続く見通しだ。バーミンガム貿易相はワインについてもWTOに提訴する可能性を示唆している。

中国、豪州産ワインで反補助金の追加関税-さらなる対立も

Wine Dumping?

Australia is China's largest wine supplier

Source: China General Administration of Customs

牛肉

  中国は豪食肉大手からの牛肉輸入制限に関してさまざまな理由を示している。中国外務省報道官は世界の食肉処理場での新型コロナウイルス感染が報道される中で、国内消費者の健康と安全を守るための措置だと説明。豪政府がコロナ発生源を巡る調査を追求している点も批判したが、この2点が関連しているという見方は否定した。豪州は中国の牛肉輸入の最大18%を占めている。

原題:China’s Attacks on Australian Goods Take Many Different Forms(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE