, コンテンツにスキップする

東芝社長、インフラサービスやデジタル関連のM&A模索-国内中心に

  • 事業統合が容易ではない大規模なもの、不慣れなものは「やらない」
  • 一気にマーケット拡大する促進剤のような政策を-脱炭素の政府方針

東芝の車谷暢昭社長は、インフラサービスやデジタル関連分野について、企業の合併・買収(M&A)も活用して強化する考えを明らかにした。国内企業を中心に、規模としては「基本的には小ぶり、中ぶりなもの」を検討対象とする方針だ。

Day Three Of World Economic Forum 2019

東芝の車谷暢昭社長(2019年1月)

  車谷社長は17日のインタビューで、インフラ関連事業などの強化は同社の成長に必要だとの認識をあらためて示した。その上でM&Aについては「過去を検証するとあまり大きなものは成功していない」と振り返り、事業の統合プロセスが容易ではない大型案件や不慣れなものはやらないと述べた。

  M&Aの予算規模や目標件数は決めておらず、具体的な買収候補のリストも現時点ではないという。

  東芝は2026年3月期までの中期経営計画で、発電設備などの保守点検や機器更新を手掛けるインフラサービスを中核に据える方針とし、営業利益は前期(20年3月期)の約3倍の4000億円を目指す。長期的には企業のデジタル化が加速する中、データ関連事業を強化する方針を示している。

  東芝は06年、米原発メーカーのウェスチングハウスを約4900億円で買収。同社はその後経営破綻し、東芝も経営危機に陥った。車谷社長は現在は数百億円の案件でも取締役会での議論を必要とし、リスク管理が適切に行われる体制になっていると説明。「経営者が私に代わっている」と自信を示した。

  50年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す政府の方針については、「補助金も含め一気にマーケットを拡大させる促進剤のような政策を作っていただきたい」と求めた。東芝は再生可能エネルギー関連事業も強化する計画で、23年3月期までに少なくとも1600億円を投資する方針だ。

  車谷社長は約40%を保有するキオクシアホールディングスについて、新規株式公開(IPO)の計画は予定通りに進むとの認識を示した。IPOに伴う売却で得られる資金は一部を投資に振り向ける可能性を示唆しながらも、過半を株主還元に充てる方針は「何ら変わっていない」と述べた。

  記憶媒体の半導体NAND型フラッシュメモリーを製造するキオクシアは当初10月の上場を予定していたが、市場動向や新型コロナ感染の再拡大懸念などを勘案し9月末に延期を発表していた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE