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電動化=EV化にあらず、メディアに異例の注文-自工会の豊田会長

  • 純粋なEVのみ普及ならエネルギー問題に、HVなどと併用検討必要
  • 菅首相は2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指すと表明

日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は17日、菅義偉政権が掲げた新たな温室効果ガスの排出目標について言及し、自動車の電動化とバッテリーの電力のみでモーター駆動する電気自動車(EV)を明確に区別するよう、メディアに異例の注文を付けた。

  豊田会長はオンライン上で記者団の取材に応じ、自動車業界では一貫して「電動化」という用語を用いてきたが、メディア報道では「EV化」になると指摘。用語の区別へ理解を求めた。

  販売される車をすべて純粋なEVに置き換えると夏のピーク時の電力需要が急増し、原子力発電所約10基分が新たに必要になるとの計算を示して、国のエネルギー政策で対応しなければ自動車メーカーの「ビジネスモデルが崩壊してしまう恐れがある」と述べた。

  国内自動車業界が用いる「電動車」という言葉には、EVや燃料電池車といったゼロエミッション車だけでなく、エンジンも搭載するハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車なども含まれている。

Toyota Management Attend The Tokyo Motor Show

自工会の豊田会長(2019年11月2日)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  電力の89%を原子力発電や再生可能エネルギーで賄っているフランスなどと比べて日本は火力発電への依存度が大きく、政府の環境目標を達成するには、国のエネルギー政策の大幅な転換が必要との見方も示した。

  具体例としてトヨタの小型車「ヤリス」を挙げ、電力事情を考えると日本国内よりフランスで生産した方が環境によいということになると述べた。

  菅首相は10月26日の所信表明演説で「経済と環境の好循環」を成長戦略の柱に掲げ、温暖化対策で50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするなど脱炭素社会の実現を目指すと述べた。これを受けて経済産業省が30年代半ばに国内の新車販売をすべて電動車とする目標に設定に向けた議論を始めた、と日本経済新聞が10日に報じていた。

  温室効果ガスの削減にはEVとHVやガソリン車をうまく組み合わせることを考える必要があるとし、50年までのカーボンニュートラル実現に向けての取り組みは進めるものの、それは「非常に難しい」との見方を示した。

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