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英中銀、MPC後に交渉決裂なら緊急会合も-通商合意なき離脱を警戒

イングランド銀行(英中央銀行)は、英国が離脱した欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)協定を締結できるどうか不透明な状況で、今年最後の金融政策委員会(MPC)を開いた。離脱移行期間が終わる31日までに交渉妥結できない場合、経済への打撃緩和で中銀にできることはほとんどない。

  エコノミストは金融政策の現状維持を予想。しかし、17日の政策発表前に通商合意なしの移行期間終了が現実になれば、その限りではない。新型コロナウイルス危機の長期化に対応し、中銀は6週間前にも金融緩和を拡大した。

  ベイリー総裁は先週、債券購入を上積みし、金融システムにさらに資金を注入する余地がなおあると発言したが、EU国境の長いトラックの列をそれで回避できるわけではない。

The BOE's main interest rate is just above zero

  ノムラ・インターナショナルの英国担当チーフエコノミスト、ジョージ・バックリー氏は「中銀が何をしても何も変わらない。これは金融政策で対応できることではない。中銀にできるのは金融市場への影響を和らげようとすることぐらいだ」と指摘する。

  他の国・地域と同様、英中銀は危機が去るまでの間、重い負債を抱えた政府、企業、家計の資金コストをできる限り低く抑えることに今は力を注いでいる。中銀の政策金利は過去最低の0.1%で、資産購入規模は8950億ポンド(約124兆6700億円)と今年に入り倍増した。

  しかし英国の場合、EU離脱に伴うリスクが加わる。中銀が先月実施した最高財務責任者(CFO)の調査結果によれば、移行期間終了に向け準備が完全に整っている企業は全体の6%にすぎない。

  ブルームバーグ・エコノミクスは、通商合意が成立しない場合、2021年の国内総生産(GDP)の1.5%相当の短期的ショックが生じる可能性があると予測。交渉が決裂すれば中銀が行動するとみている。

  英中銀は新型コロナ危機に対応し、今年既に緊急会合を2回開いており、結論が17日より後になった場合も同様の対応の用意があることがうかがえる。量的緩和(QE)のペース加速が最初の選択肢である可能性が高い。中銀の政策担当者は、多くの潜在能力があり、必要なら購入を加速させることができると発言している。

  マイナス金利のリスクについてはまだ検討中であり、交渉決裂でも直ちにそのような手段の導入を急ぐことはなさそうだ。

Keeping Positive

Bank of England has resisted global rate push below zero

  いずれにしても、そのような金融政策による刺激の効果は限られるとの見方が一般的だ。MPCのソーンダース委員が2年余り前に述べたように「ドーバー海峡にトラックの列ができた時には、利下げはもはや解決策ではない」からだ。

原題:BOE Stimulus Can’t Quell Economic Pain in a No-Deal Brexit (1)(抜粋)

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