12月16日の海外株式・債券・為替・商品市場
Bloomberg News欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎米国市況:S&P500続伸、経済対策の合意楽観-米国債は下げ
16日の米株式相場はS&P500種株価指数が続伸。米経済対策協議が合意に近づいているとの観測が広がった。米国債は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合で債券購入の構成やペースが変更されず、一部トレーダーの失望売りを誘った。
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共和党マコネル上院院内総務が経済対策協議で「目的を達成できそうだ」と述べた後、S&P500種は一段高となった。薄商いの中、小売りやテクノロジー、金融が上げを主導。主要指数の中ではナスダック100指数の上昇が目立った一方、ダウ工業株30種平均は小幅安で終えた。
S&P500種は前日比0.2%高の3701.17。ナスダック総合指数は0.5%上昇。ダウ平均は44.77ドル(0.2%)安の30154.54ドル。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し0.91%。
景気回復に失速の兆しが見られる中、投資家は難航が続く経済対策協議の進展を待ち望んでいる。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はFOMC終了後の記者会見で、財政政策による景気支援を正当化する「論拠は非常に強い」と述べた。
クイル・インテリジェンスのダニエル・ディマルチノ・ブース氏は「投資家は明らかにクリスマス休会前の法案成立が近いという最近の報道を歓迎している。包括的経済対策の資金源として発行される米国債を金融当局が全て購入するとの確信もある」と語った。
金融市場ではこのほか、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が初めて2万ドルを超えた。
外国為替市場ではドルが大半の通貨に対し下落。米金融当局は長期にわたり経済を支援する必要があるとFRB議長が述べたほか、ドル流動性スワップラインが延長された。米財務省がスイスを為替操作国に認定したにもかかわらず、スイス・フランは上昇した。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%低下。ドルは対円で0.2%安の1ドル=103円42銭。ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.2199ドル。
ニューヨーク原油先物相場は3日続伸。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計では原油在庫が予想外に減少した。ただガソリンとディーゼルの在庫が増え、燃料需要減退が示されたことから上げ幅は限定だった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は20セント(0.4%)高の1バレル=47.82ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント2月限は32セント高の51.08ドル。
ニューヨーク金先物相場は続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限はFOMC声明発表前に、0.2%高の1オンス=1859.10ドルで終了。金スポット相場はFOMC声明発表後、米国債利回りとドルの上昇を背景に一時0.5%下げ、日中安値の1844.90ドルとなった。ただその後は、パウエルFRB議長の会見での発言を受けてプラスに転じた。
原題:Stocks Climb on Aid Talks as Bonds Drop After Fed: Markets Wrap(抜粋)、Dollar Falls as Shares Rise, Fed Extends Swap Lines: Inside G-10(抜粋)、Oil Gains With U.S. Crude Supply Drop Countering Fuel Build-Up(抜粋)、Gold Slips as Treasury Yields, Dollar Rise After Fed Meeting、(抜粋)、Gold Rebounds With Fed’s Powell Seeing Need for Economic Support(抜粋)
◎欧州市況:株は3日上昇、保険株が高い-ドイツなどユーロ圏債下落
16日の欧州株は3日続伸。ドイツやフランスの経済活動を示す統計が市場予想を上回ったことが好感された。
ストックス欧州600指数は0.8%高。保険株が上げを主導した。銀行株は下落。欧州中央銀行(ECB)が全面的な配当禁止は解除する方針を示したものの、配当実施に厳しい制限を設けたことが嫌気された。
投資家は英国と欧州連合(EU)による通商交渉や米国の経済対策、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を注視している。
欧州債はドイツ債が下落。製造業とサービス業の購買担当者指数(PMI)が市場予想を上回り、安全逃避の買いが巻き戻された。米経済対策で合意が成立するとの楽観も売りにつながった。
ドイツ10年債利回りは11月9日以来最大の上昇。短期金融市場が織り込むECBによる来年12月時点の利下げ幅は7.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、前日の10bpから縮小した。
イタリア債は10年債を中心に下げた。ドイツ債とのイールドスプレッドは2bp縮小して111bpとなった。
英国債はイングランド銀行(英中銀)による政策判断の発表を控えて下げ幅を縮小した。
ドイツ10年債利回りは5bp上昇してマイナス0.57%、フランス10年債利回りは4bp上昇してマイナス0.33%、イタリア10年債利回りは2bp上昇して0.54%。
原題:Europe Stocks Rise a Third Day on Strong Business Activity Data、Bunds Lead Euro-Area Losses on Haven Unwinds: End-of-Day Curves