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オフィス回帰見込み日本で1兆円投資、人員倍増-加不動産ファンド

更新日時
  • 今後2〜3年で投資額の最大7割をオフィスビル取得に充てる方針
  • 業務拡大に伴い日本拠点の人員を現在の21人から増強へ

カナダの不動産投資ファンド、ベントール・グリーンオーク(BGO)は、オフィスビルを中心に日本での投資を加速する。今後2、3年で約1兆円を投じる計画で、日本拠点の人員も倍に増やす。強気の背景には、日本に在宅勤務はそれほど定着しないとの読みがある。

  ソニー・カルシ最高経営責任者(CEO)がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。「アジアは欧米に比べると相対的に新型コロナウイルス禍による打撃が抑えられている」と指摘。その上で「在宅勤務はアジア、特に日本において長期的なトレンドにはならない。日本はアジアでトップ・チョイスだ」との見方を示した。

Aerial Views Of Tokyo Bay Area and Financial District

オフィスが集まる東京・大手町、丸の内

Photographer: Kiyoshi Ota

  1兆円のうち最大7割程度をオフィス、1割をホテル投資に振り向け、それ以外でデータセンターや物流施設の買収も検討する意向。現在、数百億円規模の案件が幾つか進行中という。

  アジア事業の統括も兼ねる東京には21人の人員を抱える。カルシ氏は「企業からの不動産売却など魅力的な大型案件が増加している」として、業容拡大に伴い人員を倍増させたい考えを示した。ユニゾホールディングスが保有していた東京・麹町のオフィスビルを含め、今年に入ってからすでに合計で約1000億円の資産を取得した。

  レノボ・ジャパンが7月に発表した国際調査によると、在宅勤務の生産性が「オフィス勤務に比べて低い」と答えた人の割合が日本では40%と、欧米や中国など10カ国の平均13%を上回って最も多かった。日立製作所や野村ホールディングスが在宅勤務の拡充に動く一方、SBIホールディングスのように出社が望ましいと考える企業もある。

日本では在宅勤務が定着しない?

在宅勤務での生産性がオフィスで勤務するより下がるとした回答者の比率

出所:レノボ・ジャパン

  足元のオフィス空室率は上昇している。三鬼商事が10日に発表した11月の東京都心のオフィス空室率は4.33%と、4年5カ月ぶりに4%台に乗った。

  一方、1998年から2006年まで日本で暮らしたカルシ氏は、日本の文化としてひとたびコロナ禍が沈静化すれば、企業はオフィスで社員が一緒に働く環境に戻したがるはずだと指摘。オフィス需要の回復を見込む。

  在宅勤務の環境が米国に比べて整っていない日本の住宅事情もオフィス回帰を後押しするとみる。投資環境の整った経済大国であるほか、途上国と比べ既存物件の流通市場があり、一から開発するリスクを取らなくていいことも投資する上で魅力とした。

  BGOはカナダの保険会社サンライフ・ファイナンシャルの傘下企業。日本事業には、旧ANAインターコンチネンタルホテル東京の買収を手掛けるなど日本に知見のある米モルガン・スタンレー不動産投資部門出身者らが携わる。17年には東京・銀座の大型商業施設「GINZA SIX」の一部、19年には武田薬品工業の大阪本社ビルを買収するなど、日本で積極的に事業展開している。9月末の運用資産残高は507億ドル(約5兆2500億円)。

(第6段落を追加します)
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