債券上昇、長期金利は4カ月ぶりゼロ%に低下-好需給観測で買い
日高正裕
更新日時
債券相場は上昇。長期金利はゼロ%に低下した。年内の主要な入札が終わり、現物債の需給改善観測を背景に買いが優勢となった。流動性供給入札の結果が良好だったことも買い材料になったとの声があった。
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市場関係者の見方
みずほ証券の松崎涼祐マーケットアナリスト
- 主な供給イベントが終了し、あとは日銀の国債買い入れオペで吸収されるだけなので、需給は総じて良好だ
- レンジを破るほどではないが、10年債は底堅く推移している
- 米連邦公開市場委員会(FOMC)もサプライズは予想されず、日銀決定会合もコロナ対応オペの延長が見込まれるだけなので、年内は好需給が続く中で底堅く推移しよう
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト
- 流動性供給入札は応札倍率が上がり、どちらかというと良い結果だったことが10年債の支援材料になった
- 10年債はゼロ%が近づくと買いの手が引くのが従来のパターンだったが、この水準でも少しずつ買いが出てきている
- 40年債は11日の国債市場特別参加者会合で増発を求める声が多かったことを受け、きのう売られた流れを引き継ぎ上値が重い
流動性供給入札
- 対象は残存期間5年超15.5年以下、発行額は5000億円程度
- 応札倍率は3.93倍と同年限を対象にした前回入札の3.27倍から上昇
- 備考:日本債券:流動性供給の過去の入札結果(表)
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 | 5年債 | 10年債 | 20年債 | 30年債 | 40年債 | |
-0.145% | -0.130% | ゼロ% | 0.380% | 0.620% | 0.670% | |
前日比 | 横ばい | 横ばい | -1.0bp | -0.5bp | -0.5bp | 横ばい |
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