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豪州のワインメーカーが緊急対策-中国の追加関税で終わる相思相愛

  • 中国による豪州ワイン輸入関税率は計215%以上となる可能性
  • タービルク・ワインズはインドに期待-痛みは避けられないとも認識

中国が課す追加関税でオーストラリアのワイン業界と中国消費者の相思相愛が終わろうとしている。

  豪州に対し貿易面で次々と厳しい措置を打ち出している中国による豪州ワイン輸入関税率は、計215%以上となる可能性がある。中国ではここ四半世紀、ミドルクラス(中間所得者層)が拡大。シラーズやカベルネソービニオンといった赤ワインの人気が高まり、中国が豪州産ワイン最大の顧客となっていた。豪州は2019年、フランスを抜きワインの対中輸出額でトップに立った。

  サウスオーストラリア州クレアバレーを本拠とするテイラーズ・ワインズは年間輸出売上高の2割を中国から得る。同社のミッチェル・テイラー氏は中国人顧客について、「われわれのスタイルを愛し、われわれのフレーバーを知っている」と話す。

Expensive Taste

Australia exports mostly premium wine to China

Source: Wine Australia, Bloomberg calculations

  だが中国人バイヤーの姿は急速に消えつつある。追加関税賦課のうわさを受け、中国による購入が10月に94%増えたことを中国の通関データが示している。これに伴い豪州のワインメーカーは40%値上がりの恩恵にあずかった。11月の公式統計はまだ出ていないが、需要が消え、価格は下落し、追加関税が弔いの鐘となった可能性は高い。

中国、豪州ワインに反ダンピング措置-貿易面で新たな報復

  「ペンフォールズ」ブランドでよく知られているトレジャリー・ワイン・エステーツ(TWE)は緊急対策を発表。ペンフォールズの「ビン」や「アイコン」シリーズを中国以外の高級市場に再び振り向け、対豪関税を避けるため他国で生産する取り組みを加速することなどが盛り込まれた。

  メルボルンに本社を置くTWEのティム・フォード最高経営責任者(CEO)は11月30日、「われわれやパートナーのビジネス、豪州のワイン業界がこうした立場に置かれたことに極めて失望している」と投資家との電話会議で述べた。

Wineries in the Yarra Valley as China Tariffs Point to New Markets

豪ビクトリア州ヤラバレーのブドウ畑


  豪州にとって中国の次に大きな顧客である米国と英国はそれほど当てにできないかもしれない。高級ワイン市場は米国ではカリフォルニア産、英国では欧州産に占められ、豪州産と言えば「イエローテイル」などの安いワインとして認識されている。「豪州ワインは高級だということを本当に売り込んでいく必要がある」とテイラー氏は言う。

  ワインオーストラリアによれば、豪州産ワインの対中輸出のほぼ3分の2が1リットル=10豪ドル(約780円)以上。英米向け輸出で伸びているのは圧倒的に5豪ドル以下だ。

  ビクトリア州中央部に位置するタービルク・ワインズのアリスター・パーブリックCEOはインドに期待し、「中国と同じようにワイン市場が発展すると感じている」と語る。ただ「ある程度の痛み」は避けられず、「中国の良い友人はギロチンのロープを本当に外したのだ」と指摘する。

  テイラー氏は、中国とのビジネスは「予見し得る将来」において倍増する可能性があったと説明。「中国はわれわれの数字を常にけん引してきた。フランスとチリ、ニュージーランドのワインメーカーが喝采しているのを知るだけだ」と述べている。

原題:China’s Love Affair With Australian Wine Ends in a Messy Breakup(抜粋)

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