【米国市況】S&P500が下げ幅縮小、政府機関閉鎖回避で-原油反落
Rita Nazareth11日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続落。米上院が期間1週間の暫定予算案を可決し、政府機関の閉鎖が回避されたことから、後半には下げの一部を埋めた。一方で、追加経済対策がまとまる兆候は見られなかった。
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日中の値動きは荒く、S&P500種の下げは一時の1%近くから急速に縮んだ。ただ週間ベースでは1%安と10月以来の大幅安。追加経済対策協議の行き詰まりや、新型コロナウイルス関連の制限措置強化への懸念が重しとなった。フェイスブックやテスラの下落を反映し、この日はナスダック100指数の低調さも目立った。一方、ウォルト・ディズニーの最高値更新を追い風にダウ工業株30種平均はプラスを確保した。
S&P500種は前日比0.1%安の3663.46。ナスダック総合指数は0.2%低下。ダウ平均は47.11ドル(0.2%)高の30046.37ドル。ニューヨーク時間午後4時20分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.89%。

オアンダのシニア市場アナリスト、クレイグ・アーラム氏は「議会が相違点に目をつぶり、年内に合意をまとめることが不可欠だ」とした上で、「時間切れが迫っている」と指摘した。
外国為替市場では、ニューヨーク時間に円とドルが上げの一部を失った。暫定予算案の米議会可決を受けて株がやや持ち直したのが背景。英国・欧州連合(EU)通商交渉の期限を13日に控え、ポンドは下げた。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。ドルは対円では0.2%安の1ドル=104円04銭。一時は0.4%安まで下げていた。ユーロは対ドルで0.2%安の1ユーロ=1.2116ドル。
ニューヨーク原油先物相場は反落。9カ月ぶり高値から下げた。米経済対策協議の行き詰まりを背景に、需要が直ちに増加する可能性は低下したと受け止められた。週間ベースでは上昇を確保した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は21セント(0.5%)安の1バレル=46.57ドルで終了。週間では1%未満の上昇。ロンドンICEの北海ブレント2月限は前日比28セント安の49.97ドル。週間では1.5%値上がりした。
ニューヨーク金先物相場は反発。週間ベースでの下げを埋めた。米経済対策協議で近く合意がまとまる可能性が低下し、景気回復に関する疑問が生じる中、逃避先資産とされる金が買われた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は、0.3%高の1オンス=1843.60ドルで終了。週間では0.2%上昇した。スポット価格はニューヨーク時間午後2時15分現在、0.2%高の1839.50ドル。
原題:Stocks Pare Drop on Stopgap Bill Amid Aid Deadlock: Markets Wrap(抜粋)
Yen, Dollar Trim Gains as U.S. Stopgap Bill Passes: Inside G-10(抜粋)
Oil Ekes Out Weekly Gain After Retreating From Nine-Month High(抜粋)
Gold Gains With Stimulus Impasse Spooking Equity Investors(抜粋)