ECBのパンデミック緊急購入拡大、タカ派を説得し実現-関係者
Jana Randow、Piotr Skolimowski-
タカ派は必ずしも全額使うとは限らないとの「ただし書き」を要求
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ワイトマン氏は反対、追加緩和に支持も規模が過剰と受け止めた
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁がパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大で政策委員会メンバーの幅広い支持を得られた理由は、拡大した緊急購入枠を必ずしも全額使うとは限らないとの「ただし書き」を付けることでタカ派委員が折り合ったからだ。ECBの協議に詳しい関係者が非公開情報を話しているとして匿名を条件に述べた。

ECBは10日、PEPPを5000億ユーロ(約63兆円)拡大することを決定したが、ラガルド総裁は政策発表後の記者会見で「望ましい金融環境が維持できているならば、全額使う必要はない」と言明していた。
ECB、パンデミック緊急購入拡大-必ずしも全額使わないと総裁 (1)
シュナーベル理事はこの文言を入れるよう強く主張していたといい、提案された追加緩和の規模が大き過ぎるとして懐疑的だった数人の委員もこの文言により結局は賛成に回ったという。主な反対派はワイトマン独連銀総裁で、追加緩和には支持を表明するも規模が行き過ぎだと受け止めていたと、関係者の1人は語った。
原題:ECB Stimulus Is Said to Have Needed Caveat to Win Hawks’ Support(抜粋)