きょうの国内市況(12月11日):株式、債券、為替市場
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●TOPIX反発、景気失速不安和らぎ自動車や銀行高い-日経平均続落
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東京株式相場はTOPIXが反発。米経済対策交渉が進展せず材料が乏しい中、欧州の追加緩和など新型コロナ感染再拡大への手当てが進み景気失速への不安が和らいだ。自動車、銀行、サービスなどが買われた一方、ソフトバンクグループの下落が響いて日経平均株価は値下がりした。
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SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは「目立った材料がなく、業種全体が動いているというよりは個別材料に反応し業種の中でもまちまちな動きをした」と指摘した。みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジストは、ワクチン接種期待や日本や欧州でも対策が講じられ「寒い時期の感染再拡大に対する政策手当は各国で出てきている。景気の急な失速は避けられるだろう」と話していた。
- 東証33業種では空運、輸送用機器、その他製品、電気・ガス、銀行などが上昇
- 海運、パルプ・紙、その他金融、ガラス・土石、建設などが下落
●超長期債上昇、年度内の増発懸念後退-日銀オペ結果受け中長期買いも
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債券相場は超長期債を中心に上昇。今年度の第3次補正予算に伴う利付国債の増発が見送られるとの見方が強まり、追加発行が警戒されていた超長期ゾーンに買い圧力が掛かる場面があった。日本銀行が実施した国債買い入れオペの結果が需給の引き締まりを示したことも、中長期債相場の上昇を促した。
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みずほ証券の松崎涼祐マーケットアナリスト
- きょうは国債市場特別参加者会合も控えているが、先月から増発はなさそうとの雰囲気で超長期債が徐々に買われており、第3次補正予算に絡む報道などで確信を強める形で金利が下がった
- きのうの20年債入札で年内の主だった入札が終わったことも大きく、あとは日銀に吸収されるだけだ
- きょうの残存3-5年オペは特に強い結果で、同オペは8日の5年債入札後に年末まで4回も実施されるため、先行きの需給がかなり良い
- 先物に出遅れがちだった10年債も買われ、需給環境がかなり効いているが、さすがにゼロ%は買いづらく、他の年限も水準的にどんどん上値を追う感じではない
日銀オペ
- 対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、物価連動債。買い入れ額はいずれも据え置き
- 応札倍率は残存3-5年が1.67倍と昨年2月以来の低水準、5-10年も2.03倍に低下
●ドル・円が下落、米財政拡大見通しやワクチン進捗で-一時103円93銭
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東京外国為替市場のドル・円相場は下落。米財政拡大見通しや新型コロナワクチンの進ちょく状況を背景に、ドル売りが優勢となった。オーストラリアドルは対ドルで、ワクチン普及による景気回復を先取りした動きから、一時2018年以来の高値を更新した。
ハイライト |
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上田ハーロー外貨証拠金事業執行担当役員の山内俊哉氏
- 新型コロナウイルスのワクチン申請が通ったこともあって、市場はリスク志向になっており、ドル全面安に。特にコモディティや資源国通貨は、ワクチンが出回り、経済が回復していくという姿を先取り
- 米追加経済対策は依然として難航も、きのうの新規失業保険申請件数の悪化などからいずれ財政出動は必要。米財政赤字拡大、ドルの過剰流動性という点からドル安基調はまだ続きそう
- ドル・円も上値が重い。ただ、景気回復の先取りによる資源国通貨などの上昇は対円でも出やすく、ドル・円の下落は緩やか