債券相場は超長期債を中心に上昇。今年度の第3次補正予算に伴う利付国債の増発が見送られるとの見方が強まり、追加発行が警戒されていた超長期ゾーンに買い圧力が掛かる場面があった。日本銀行が実施した国債買い入れオペの結果が需給の引き締まりを示したことも、中長期債相場の上昇を促した。
- 新発40年債利回りは一時、前日比1.5ベーシスポイント(bp)低い0.635%、新発30年債利回りは1bp低い0.60%まで低下
- 新発10年債利回りは一時0.5bp低い0.005%と、9月以来の低水準
- 新発5年債利回りは1bp低いマイナス0.13%
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- 長期国債先物12月物の終値は3銭高の152円16銭。前日の終値を挟んでもみ合った後、日銀オペ結果を受けて一時152円23銭まで上昇も、取引終了にかけて上げ幅を縮小
- 2021年3月物の売買高が12月物を上回り、限月交代。大阪取引所はきょうの夜間取引から中心限月が3月物へ移行と発表
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市場関係者の見方
みずほ証券の松崎涼祐マーケットアナリスト
- きょうは国債市場特別参加者会合も控えているが、先月から増発はなさそうとの雰囲気で超長期債が徐々に買われており、第3次補正予算に絡む報道などで確信を強める形で金利が下がった
- きのうの20年債入札で年内の主だった入札が終わったことも大きく、あとは日銀に吸収されるだけだ
- きょうの残存3-5年オペは特に強い結果で、同オペは8日の5年債入札後に年末まで4回も実施されるため、先行きの需給がかなり良い
- 先物に出遅れがちだった10年債も買われ、需給環境がかなり効いているが、さすがにゼロ%は買いづらく、他の年限も水準的にどんどん上値を追う感じではない
日銀オペ
- 対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、物価連動債。買い入れ額はいずれも据え置き
- 応札倍率は残存3-5年が1.67倍と昨年2月以来の低水準、5-10年も2.03倍に低下
- みずほ証の松崎氏
- 残存3-5年オペは急いで応札する必要がなく、強い結果が中期債を通じて先物の上昇につながった
- 備考:国債買い切りオペ結果一覧
新発国債利回り(午後3時時点)
| 2年債 | 5年債 | 10年債 | 20年債 | 30年債 | 40年債 |
| -0.145% | -0.130% | 0.010% | 0.375% | 0.610% | 0.640% |
前日比 | -0.5bp | | | | | -1.0bp |