中国の消費者物価、11月は約11年ぶりの下落-豚肉値下がり響く
Bloomberg News-
11月の食品価格は前年同月比2%下落-豚肉が12.5%値下がり
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消費者物価下落が長引く公算は小さい-ANZの邢兆鵬氏

中国の消費者物価が11月に約11年ぶりの下落に転じた。昨年のアフリカ豚熱(ASF)発生で生産が減っていた豚肉の供給が回復し、豚肉が値下がりしたことが影響した。
国家統計局が9日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%低下し、2009年10月以来の前年水準割れとなった。ブルームバーグのエコノミスト調査中央値では横ばいが見込まれていた。10月は0.5%上昇だった。
11月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比1.5%低下。予想中央値は1.8%低下、10月は2.1%低下だった。

消費者物価はここ数カ月、CPIを構成する豚肉価格の落ち込みで下落基調に陥っている。11月の食品価格は前年同月比2%下落。豚肉は12.5%値下がりした。
中国の輸出、18年2月以来の高い伸び-11月の貿易黒字は過去最大
ただ景気回復が強まっており、消費者物価の下落は一時的となる可能性が高い。中国の輸出は先月、ドル建てで前年同月比で20%を超える増加となったほか、国家統計局が発表した11月の製造業購買担当者指数(PMI)は3年ぶりの高水準に達した。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の邢兆鵬マーケットエコノミスト(上海在勤)は「原油価格値上がりと新年前の旅行シーズン到来」で消費者物価下落が長引く公算は小さいと指摘。「生産者物価の広範な改善は2021年のデフレリスクが低いシグナル」との見方を示した。
原題:China’s Consumer Prices Decline for First Time Since 2009 (1)(抜粋)