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NTT1兆円起債へ、大型調達で日本の社債市場に新たな1ページ

  • 国内起債額の記録を大幅塗り替え、自信になる案件と投資家
  • 世界では20年の起債額で9位、上位との差はなお大きい

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日本の社債市場が新たな一歩を踏み出す。NTTの子会社NTTファイナンスの社債発行額が総額1兆円に決まり、国内の起債案件としての最大記録を大きく塗り替える。世界的にはまだ小粒の日本市場は拡大に向けて前進する。

NTT Headquarters and Docomo Shops As $38 Billion Buyout Plan Is In Talks

NTTは調達資金をNTTドコモ完全子会社化の費用に充てる

  「市場参加者にとって勇気が出る案件」。長く社債市場を担当してきたアセットマネジメントOneのファンドマネジャー、加藤晴康氏は1兆円案件を経験する日が来るとは思っていなかったと述べた。数千億円で頭打ち感があった国内で、大型でも十分需要を集められるという実績ができ、日本の社債市場の自信になると話す。

  NTTFは11日、年限3年、5年、7年、10年の4本立て社債の発行条件を決める予定だ。発行額は9日までに、それぞれ1000億円、3000億円、2000億円、4000億円に内定している。

  これまでの国内最大額は武田薬品工業やソフトバンクグループなどの総額5000億円。この2倍となるNTTF債は、日本格付研究所(JCR)で日本国債と同じ「AAA」の高格付け。NTTの保証も付く予定とあって、複数の関係者によると、9日の段階で応募された投資金額は約2兆4000億円に上る。

  ドル換算で約96億ドルの発行額は、ブルームバーグのデータによると現時点で2020年の1案件当たりの起債総額で世界9位となる計算。ことしの世界最大案件は米ボーイングの総額250億ドル(約2兆6000億円)。世界上位との差はなお大きいが、国の経済規模と比べて小さい日本の社債市場がようやく出遅れ修正に向かい始めたとも捉えられる。

NTTは世界9位の発行体に

2020年の起債ランキング

ブルームバーグ

12月9日時点の各社の最大案件。AT&Tは別に110億ドルの起債がある。

  マニュライフ・インベストメント・マネジメントの押田俊輔クレジット調査部長は、企業融資が銀行の収益の柱になっている日本では「社債がそれほど活用されてこなかった」と述べ、起債量が多い米国などと日本では企業の負債構造が根本的に異なると指摘。大型起債の増加で社債市場が拡大するとともに、銀行がより小規模な企業への融資を増やして本来の金融仲介機能を果たす方向に進めば望ましいと語る。

  発行金額は企業の資金ニーズにも左右されるため、今後1兆円案件がどの程度出てくるかは未知数だ。それでも大きな節目を作るという意味でNTTF債の持つ意義は大きい。アセマネOneの加藤氏は、今後は「海外企業も含め、大型資金調達での一つの選択肢として円建て債が視野に入ってくる」と期待を寄せている。

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