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日韓、最大の受益国に-RCEP成立後の中国向け石油製品輸出

  • 日韓からの石油・化学製品輸入関税最大8%、20年間でゼロに-中国
  • 日韓にとって「RCEP最大のたまものは中国とのLCO取引」

日中韓など15カ国が先月署名したアジア地域包括的経済連携(RCEP)により関税引き下げが進み、アジアの石油・化学製品市場での最大の勝ち組は日本と韓国になりそうだ。

  急成長している中国の石油精製業界に軽質サイクルオイル(LCO)やビチューメン、基油、芳香族化合物、石油化学原料といった広範な石油製品を供給する上で、RCEPは日韓を一段と有利な立場に置くことになる。

  通関データによれば、中国は今年1-10月にこうした製品を約120億ドル(約1兆2500億円)相当輸入。日韓はシンガポールとマレーシアのシェアを奪う形で市場での存在感を高める公算が大きい。RCEPにも加わった東南アジア諸国連合(ASEAN)は中国と自由貿易協定(FTA)を結んでおり、ASEANに加盟するシンガポールとマレーシアはすでに中国との関税ゼロの恩恵を受けている。

  オックスフォード・エネルギー研究所で中国エネルギープログラムのディレクターを務めるマイケル・メイダン氏は「こうした製品がアジアの国々からもっと多く中国に流入し、韓国と日本がその受益国となることを確実に意味している」と指摘。その上で「その度合いは、投機買いや混合の問題を悪化させる恐れのある潜在的な税制の抜け穴にも左右される」と語った。

アジア太平洋諸国、RCEP署名-世界最大級の自由貿易協定

Trade-Flow Change

South Korea, Japan set to become more dominant under RCEP

Source: General Administration of Customs

Note: Figures are China's imports in value in first 10 months of 2020

  中国商務省のウェブサイトに掲載された文書によると、日韓からの石油・化学製品の輸入関税は現在0.8-8%で、RCEPの下で今後20年で徐々にゼロに引き下げられる。日韓はすでにこれらの製品カテゴリーの多くで最大級の対中供給国となっているが、RCEPが日韓の支配力をさらに強めそうだ。

  RCEPで最も影響を受ける可能性のある石油製品の1つが、ディーゼル油と燃料油向けの混合材料として使われるLCOだが、精製燃料関税を免除する税制の抜け穴のため、中国による韓国からのLCO輸入は今年急増した。この市場に参加している複数のトレーダーによれば、中国で輸入関税を避けるためマレーシアを経由した迂回(うかい)出荷もあった。

  エナジー・アスペクトのアナリスト、ユンタオ・リウ氏(ロンドン在勤)は「韓国と日本にとってRCEP最大のたまものは中国とのLCO取引かもしれない」と分析。日韓両国は良質のLCOを提供しており、関税引き下げに伴い東南アジア勢から市場シェアを奪いそうだと述べた。

原題:Asia’s Historic Trade Pact to Open Oil-Supply Route to China (1)(抜粋)

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