ドル・円は104円前後、リスク回避の流れでドルと円に買い圧力
野沢茂樹
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=104円前後で小動き。米経済対策や英国と欧州連合(EU)の通商交渉を巡る不透明感を背景としたリスク回避的な流れの中、ドルと円はともに買われやすく、相場は目先の方向感に乏しい展開だった。ポンドは英国と欧州連合(EU)の通商交渉に対する不透明感から売りが優勢だった。
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市場関係者の見方
三井住友信託銀行の瀨良礼子マーケット・ストラテジスト
- ドルと円はともに株安などのリスクオフ時に買われる通貨と位置付けられているので、相対的な位置関係が変わりにくい
- 英国とEUの通商交渉はチキンレース状態になっており、本当に妥結できるのか不透明感が増していて、ポンド売り要因になっている
- 米追加経済対策を巡る合意の遅れもあって来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する期待が高まっているが、本格的な追加緩和は新政権発足後の来年1月末でも遅くはない
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジスト
- 米国と欧州でリスク回避的な材料が懸念される中、株価の上昇も一服し、誰かが何かをしてくるのを待っている状況。リスクオフ一辺倒というほどでもないが、やや慎重な雰囲気だ
- ドル・円は株安を受けていったん下を試したが、仲値にかけてはドル需要が優勢だったので戻し、その後は目先の方向感に乏しい
- 米国の補正予算は年内にまとまらないと、年明けからすぐにも景気に悪影響が出かねない。ブレグジットはこれまで楽観論が優勢だったので、波乱が生じる可能性がポンドの重しになっている

背景
- 米経済対策協議が再び失速、11日の法案可決期限を延長する方向
- 複数の議会関係者によると、週末および7日の協議で十分な進展は見られず
- 英首相と欧州委員長が対面で緊急会談へ-交渉巡り双方に悲観論
- 【新型コロナ】ファウチ氏、クリスマスに警鐘-パリ航空ショー中止
- 日経平均株価は前日比80円安で取引を終了。米株価指数先物は時間外取引で下落
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