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債務削減を織り込み始める中国金融市場-景気回復と通貨高で改革余地

  • 中国の債務は対GDP比277%-14年以降で最も高い
  • マクロレバレッジ安定化は優先課題、方向性変わらず-マッコーリー

新型コロナウイルス感染拡大で経済刺激策を強化する傾向が世界的に広がる中で、中国はこうした流れとは一線を画し、記録的な規模に膨らんだ債務の管理に再び軸足を置くようになっている。

  中国当局は金融システムの流動性を引き締め気味にしており、国内の債務水準安定化を望んでいることを示唆している。レバレッジ削減に向けた過去の取り組みほど積極的ではないものの、こうした姿勢の変化で金利は上昇している。国債利回りは1年半ぶりの高水準近くで推移し、銀行間の借り入れコストは先月、今年1月以来の高さに跳ね上がった。

  国内で最も安全とされていた社債発行体の一部でデフォルト(債務不履行)が相次ぎ、大手銀行も規模が小さめの金融機関への資金融通に慎重姿勢を強めている。

「安全」と見られていた中国政府系企業の社債、デフォルトで揺らぐ

China's debt-to-GDP ratio surged this year as Beijing eases policy

  景気回復と人民元高で中国の政策当局には金融システムの債務規模を制限、あるいは削減さえも視野に入れる余地が広がっている。2016年以降、レバレッジ削減は習近平国家主席が掲げる最優先事項の1つとなってきたが、これまでの試みは米国との貿易戦争やコロナによる経済への悪影響で中断を余儀なくされていた。

  今年は中国人民銀行(中央銀行)による複数回の利下げや資金供給で本土企業は生き残ることができた反面、このままいけば5年ぶりの大幅増となるレバレッジの急速な積み上がりは金融システムに大きなリスクとなる。中国の債務は8月に国内総生産(GDP)対比で277%と、ブルームバーグが14年にデータの集計を始めてから最も高くなっている。

Sovereign and corporate yields climb amid concerns on tighter liquidity

  マッコーリー・グループの中国経済担当責任者、胡偉俊氏は「今後半年は金利がここからさらに上昇、流動性は一段と引き締まり、大きなボラティリティーが見込まれる」と指摘。「投資家の緊張や不安は強まるだろう。マクロレバレッジの安定化は政策上の優先課題であり、この方向性は今後も変わらない」と話す。

  BNPパリバ・アセット・マネジメントの大中華圏担当エコノミスト、羅念慈氏は「人民銀は今後、成長率の維持ならびに社債デフォルトが手に負えなくなる事態を防ぐのに必要なだけの流動性を供給する」と分析。「中国経済が軌道から外れない限り、政府はレバレッジ圧縮の取り組み再開と金融改革の遂行を目指すことになる」と述べた。

原題:China’s Financial Markets Are Starting to Price In Deleveraging(抜粋)

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