中国の輸出、18年2月以来の高い伸び-11月の貿易黒字は過去最大
Bloomberg News-
貿易黒字は少なくとも1990年からのデータで最大-対米黒字も更新
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効果的なコロナ抑え込みや力強いクリスマス受注の恩恵-コメルツ銀

中国の輸出は11月にドルベースで2018年2月以来の大きな伸びとなった。年末の需要増が寄与し、貿易黒字は月間ベースで過去最大に膨らんだ。
税関総署が7日発表した11月の輸出はドル建てで前年同月比21.1%増。エコノミスト予想は12%増だった。一方、輸入は前年同月比4.5%増。予想は7%増だった。
この結果、11月の貿易黒字は754億ドル(約7兆8400億円)と、少なくとも1990年までさかのぼるデータで最大となった。
Export Rebound
Shipments strongest since February 2018
Source: China's General Administration of Customs
Note: Jan.-Feb. data was combined by source from 2020 to smooth volatility due to lunar new year.
中国の堅調な貿易統計と国内消費の持ち直しは11月も景気回復が続いたことを示唆している。欧州大陸や英国などで新型コロナウイルス感染が再び広がっており、中国の輸出の伸びをこれまでけん引してきた個人防護具や在宅勤務用機器の輸出需要がさらに高まる可能性がある。
コメルツ銀行の周浩エコノミスト(シンガポール在勤)は、中国が効果的なコロナの抑え込みやクリスマスの力強い受注による恩恵を受けているとし、「輸出の好調は中国経済の見通しを巡る今年最大のサプライズの1つだ」と指摘。「輸入の伸びは予想よりもやや弱めで、冬場が近づく中でインフラ支出の一服を示唆している」と述べた。
年末が迫り、中国は第1段階の米中貿易合意の条件を満たすため、米国からの輸入を強化する必要があるが、直近のデータは目標の達成には程遠い状況にあることを示している。バイデン次期米大統領はトランプ政権が発動した中国に対する追加関税を早期に解除せず、対中戦略を策定する前に同盟国と相談すると語っている。
中国、米産品購入は10月に鈍化-貿易合意の年間目標に遠く及ばず
中国の対米貿易黒字は11月に374億ドルと過去最大を更新した。
原題:China’s Exports Surge in Year-End Rush; Surplus Hits Record (1)(抜粋)