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セコイア・キャピタルの「ブラックスワン」警告、一転巨大リターンに

  • パンデミック宣言に警鐘鳴らしたセコイアのファンド、リターン11倍
  • テクノロジーがパンデミック対応に役立つ-パートナーのボサ氏

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と宣言される約1週間前に、世界をリードするベンチャーキャピタル(VC)企業の一角であるセコイアキャピタルは悲惨な予言を行っていた。

  セコイアは投資先企業に支出抑制と雇用削減、新しい経済的現実への適応をアドバイスし、「ブラックスワン」と知られる広く配布した文書では、ウイルス封じ込めには数四半期かかる恐れがあると指摘。「世界経済が基盤を回復するにはさらに時間を要する」としていた。

  ただ、その後わずか3カ月でセコイアは、新型コロナ感染が多くの死者や多数の失業者を出し、中小企業に大打撃を与える一方で、特定のタイプの企業を実際に助けているかもしれないことに気づいた。株式相場は急回復し、セコイアの投資先を含めて株式上場を準備する企業が相次いだ。同社の投資先で企業価値が最も高く評価されているエアビーアンドビーと食事宅配のドアダッシュは今週、新規株式公開(IPO)を行う。

  ブルームバーグが検証したパフォーマンスのデータによれば、セコイアの少なくとも2本のファンドは手数料後ベースのリターンが理論上で11倍。この数値はこれまで報じられていなかった。3本目のファンドのリターンは8倍。セコイアの広報担当はこれらの数値についてコメントを控えた。

Big Gains

Backers of Sequoia Capital are seeing 11-fold returns on investments.

Source: Performance data reviewed by Bloomberg

  春先の最初の経済的衝撃から一転し、今年はベンチャーキャピタリストにとって極めて好環境の1年となった。ディーロジックの市場データによれば、VC企業が支援する企業が今年これまでにIPOで調達した金額はインターネット株ブームのピーク時を上回る。調査会社ピッチブックによると、VC企業による米スタートアップ企業への投資は1400億ドル(約14兆6000億円)強と、昨年全体を超えるペース。

  セコイアのパートナー、ロエロフ・ボサ氏は、同社の投資家が3月上旬に予測した際には、世界的な外出自粛がテクノロジー企業にもたらす恩恵や政府による景気刺激プログラムの影響を十分に織り込んでいなかったと振り返る。

  人々はドアダッシュへの料理宅配注文や、セコイアの別の投資先でIPOを控えるインスタカートへの食料品注文を増やした。ユニティ・ソフトウエアの開発ツールで作られた多くのゲームも利用した。また、エアビーでパンデミック対策の部屋を借りる動きもあった。

  ボサ氏はこうした動きを「上向きのサプライズだ」と述べ、全体的な惨状を認めた上で「テクノロジーが、このパンデミックへの対応に役立った」と指摘した。

TechCrunch Disrupt San Francisco 2018 - Day 3

ロエロフ・ボサ氏

Photographer: Steve Jennings/Getty Images North America

原題:
Sequoia Capital’s ‘Black Swan’ Alert Gives Way to Huge Returns(抜粋)

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