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未来のクルマはEVかハイブリッドか、車各社に命運分ける決断迫る

  • ハイブリッド車販売は主要市場で復活した一方、EVの成長は鈍化
  • 一部の大手自動車メーカーでより安価なHV車を見直す動きも

自動車各社が重大な決断を迫られている。完全電動化に至る今後数十年の間にハイブリッド車(HV)と電気自動車(EV)のどちらが覇権を握るのか、という難問だ。自動車業界がガソリン車から移行を進める中で、各社の投資計画はそれぞれの命運を左右する可能性がある。

  2020年はEVメーカーにとっては驚異の一年となった。EVメーカーに対する投資家の支持を受け、米テスラや中国の蔚来汽車(NIO)の株価は急騰した。競合ひしめくEV市場では、22年までに全世界のモデル数が500種類以上になる見通しだ。

  その一方で、HVは主要市場で復活を遂げつつあり、大手自動車メーカーの間ではよりなじみがあって安価なハイブリッド技術を見直す動きがある。米フォード・モータートヨタ自動車などは旗艦車のHVモデルの発表やHV関連の部品サプライチェーン構築に向けた新たな投資を行っている。

  HVはEVのように手厚い補助金の対象とはなっていないものの、数年間にわたる低迷を経て、足下ではその長所が再認識されている。昨年の米国のHV販売は前年比17%増となった。欧州では環境規制を背景に同22%増。世界市場で最大シェアを持つ日本勢のHV販売は中国市場で19年は前年比30%の伸びを見せ、同国で最も急成長したセグメントの一つとなった。

  一方、19年のEV販売は前年比6%増と、それまでの毎年2桁成長からは大きく落ち込んだ。

  理由はいくつかある。HVは燃費の節約につながるがEVのように航続距離を気にする必要はない。またガソリンエンジンも併用するため電池はより小さく、価格も高くならないことから全体としてのコストはEVより低い。そのため商品価格は手ごろで、高級なテスラ車に手が届かないものの環境に優しい車を求める消費者にとっては魅力的な選択肢になる。

  フォードは21年、ピックアップトラック「F-150」で初のHVを導入する。Fシリーズは米国市場で43年間にわたり最も売れているピックアップだが、新型F-150は米国市場で初めて販売されるフルHVのフルサイズピックアップになる。またトヨタの人気スポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」の最新モデルであるプラグインハイブリッド仕様の「RAV4プライム」は歴代で最もパワーが大きいモデルだ。

  6月の米国販売ではRAV4のHV版がガソリン車を上回るという珍しい出来事があった。既存モデルに燃費やトルク、パワーを追加したHVには需要があるというトヨタの主張に信頼性を与える結果となった。

  トヨタは4月、パナソニックと車載用角形電池の合弁会社、プライム・プラネット・エナジー&ソリューションズ(PPES)を設立。同合弁会社は22年からHV50万台分の車載電池の生産を開始する。

  PPESの好田博昭社長は「しっかりと今の規格であるハイブリッドの電池を作っていく」と述べた上で、自動車業界のEVや燃料電池車へのシフトにより柔軟性や方向性の修正が必要になるとの見方を示した。

原題:
Is the Future Electric or Hybrid? Carmakers Make Expensive Bets(抜粋)

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