米ISM非製造業景況指数、拡大ペースがやや鈍化-予想には一致
Henry Ren米供給管理協会(ISM)が発表した11月の非製造業総合景況指数は、前月より減速したもののなお健全なペースでサービス業の活動が拡大したことを示した。新型コロナウイルスの逆風が続き、新規受注と景況の伸びが鈍化した。
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指数が2カ月連続で低下したことは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でサービス業界が直面する試練の深刻さを浮き彫りにしている。業界は堅調を維持しているが、感染の再拡大や気温の低下で、活動拡大が加速する確率は低くなっている。
ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は、「事業環境と景気に関する企業の回答は、まちまちの内容だった」と発表文で指摘。「パンデミックの中、米大統領選の結果の影響も意識しつつ事業運営にあたっており、大半の企業は慎重だ」と分析した。
情報や金融といった業種はパンデミック期を通じて堅調を維持している。ネット通販への消費者のシフトも、小売りや輸送業者の活動が年末商戦期に拡大し続けることを示唆している。
11月は14業種が活動拡大を報告。それには輸送や倉庫業のほか、ヘルスケアや食品サービス、建設、小売りが含まれる。
サブ指数では新規受注が1.6ポイント低下し57.2。景況は61.2から58に低下した。一方で雇用は1.4ポイント上昇し51.5と、3カ月連続の人員増を示した。
仕入価格は8年ぶり高水準の66.1。マスクなど個人保護具(PPE)の不足も一因に、素材やサービスのコストが高騰していることを反映した。
在庫は49.9(前月51.1)と、1997年の統計開始以来2番目に低かった。在庫水準が低すぎると回答したサービス業者が増加したことになる。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Service Industries in U.S. Expand at a More Moderate Pace (2)(抜粋)