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日本を襲う新型コロナの新たな波、際立つ高齢者の感染と重症化

新型コロナウイルス感染者が11月以降急増する中、夏場の感染拡大期とは異なる状況が政策当局者を悩ませている。高齢化社会の日本が冬本番を迎えるにあたり、専門家らは対策の見直しを迫られている。

  11月以降の感染拡大の波は一見すると政策の微調整で済んだ夏場の波と似ている。だが、新型コロナ感染による重症者が夏場のピークを優に超えて過去最多となる中、当局者らは危機感をあらわにしている。

Tokyo Cases Hit Record as City Plans to Raise Virus Alert

マスクはオフィス街でも見慣れた風景だ

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

  田村憲久厚生労働相は1日、「500人近く重症者が増えてきていること自体は非常に危機感を持っている」と記者団に語った。医療体制は「最悪の場合」を想定して計画を策定し、十分な病床や医療従事者の確保など対応を急ぐ必要があるとの認識を示した。

  

状況は深刻さ増す

コロナ重症者数は過去最多を連日更新

出所:厚生労働省

  今回の感染拡大では、北海道札幌市や愛知県、大阪府、東京都といった人口の多い大都市を抱える地域に主に集中している。

  こうした地域の多くでは新型コロナ感染の重症者向け病床が逼迫(ひっぱく)しつつある。NHKは1日、東京都は重症者向けベッドを現在の150床からさらに50床増やし200床確保するよう、近く都内の医療機関に要請すると報じた。都内では同日、コロナ感染者5人の死亡が確認された。

備考:「重症者」の基準は自治体により違いがある。東京都が公表している重症者数は入院患者数のうち、人工呼吸器管理(人工心肺装置「ECMO(エクモ)」含む)が必要な患者数を計上。国の基準では、集中治療室(ICU)等での管理が必要な患者も重症者に含まれる。

病床不足に陥る恐れ

コロナ重症病床の使用率

出所:東京都、大阪府

備考:重症者の基準は東京都と大阪府で異なる

  重症者が増えた要因ははっきりしている。夏場の波に比べて今回は相対的にリスクが高い高齢者の感染が増えているからだ。この傾向は特に東京で際立つ。東京では前回の波における感染者は若年層の割合が大きかったため、医療提供体制への負荷は抑えられていた。

  日本では1日当たりの感染者数が全国で2000人を超え、各自治体は今後3週間で集中的に対策を講じる必要性を訴えた。東京と大阪、北海道、愛知は、酒類を提供する飲食店などに営業時間の短縮を要請。菅義偉首相は11月27日、「この3週間が極めて重要な時期だ」と述べ、「みなさんと一緒に乗り越えていきたい」と呼び掛けた。

高齢者の感染拡大

コロナ感染者に占める60代以上の割合が上昇

出所:東京都、愛知県、北海道

   

  明るい兆しも幾つかある。先週の都内の感染者数は前の週からほぼ横ばいだった。北海道など他の地域でも、減ってはいないものの横ばいになりつつあり、今回の波はピークを過ぎたかもしれないという期待を抱かせる。

  国民の「自粛疲れ」が懸念されるものの、酒類を提供する飲食店などへの時短営業要請は、繁華街で夜の人出を減らす意図した効果が得られていることをデータは示唆している。

  それでも日本は今後死者が増加する可能性に備える必要があるだろう。厚生労働省によると、コロナ感染症で死亡した2000人余りのうち80代以上が過半数を占め、80代以上の感染者の死亡率は14%となっている。高齢化社会の日本でこの年齢層の人口は1160万人だ。

 

高齢者の死亡リスク高い

死者はほぼ60代以上、80代以上が過半数を占める

出所:厚生労働省

原題:The New Virus Wave in Japan Is Older and More Serious, Data Show(抜粋)

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