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OECD、21年の世界成長見通し下方修正-支援継続を政府に呼び掛け

  • 21年の成長率見通し4.2%-今年9月時点では5%と想定
  • 「財政の崖」回避を、公的債務の水準を懸念すべき時ではない

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経済協力開発機構(OECD)は1日、新型コロナウイルスの感染再拡大が世界経済回復の道筋をより緩慢なものにしたと指摘し、各国政府が支援を尚早に引き揚げたり有効なワクチンが普及しなかったりすれば回復ペースはさらに遅くなると警告した。

  OECDは2021年の世界成長率見通しを4.2%と9月時点予想(5%)から引き下げた。新型コロナとパンデミック(世界的大流行)とロックダウン(都市封鎖)のパターンは当分続く可能性が高く、恒久的な影響を残すリスクが高まると分析した。

  ユーロ圏と英国の成長見通しを特に大きく引き下げ、英国は4.2%(従来予想7.6%)とした。米国は3.2%と従来の4%から引き下げた。

Dampened Rebound

The resurgence of the Covid-19 pandemic and government lockdowns are weighing on the outlook in most economies

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

  「政策にはまだすべきことが多くある」とチーフエコノミストのローレンス・ブーン氏は述べ、「公衆衛生か財政政策かがつまずけば、信頼が失われ見通しはさらにいっそう暗くなるだろう」と警鐘を鳴らした。

  新型コロナ治療普及の成功が回復の軌道を決める決定的要因の1つとなると指摘。政府がロックダウンを終了し企業は業務を再開、人々は仕事に戻れるという大きな期待がそこにかかっていることから、遅延は深刻な打撃を与えるだろうとして「経済へのコストは大きく、それが脆弱(ぜいじゃく)な国家・企業発の金融混乱と世界への波及のリスクを高めるだろう」と分析した。

  また、地域間の乖離(かいり)が世界経済の長期的な変化につながるリスクが高まっているとOECDは指摘。欧州と北米は2021年の成長にその経済規模ほどは寄与せず、中国が世界の成長の3分の1余りを担うだろうと予想した。

Diverging Fortunes

Most major economies face a long haul to recovery, while China powers ahead

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

  各国政府はロックダウン措置解除後も経済への支援を続け、緊急措置が期限切れとなった時の「財政の崖」を回避するべきだと主張。公的債務は増えているが、借り入れコストは低いとしてOECDは強い懸念を否定した。

  ただ、支出の一部が有効に使われなかったとし、「財政支援と結果としての経済パフォーマンスの相関関係欠如」を指摘した。

  支援は破綻の恐れが大きい小規模企業やセーフティーネットの不十分な低所得者や貧困家庭、就学困難な子供など危機の影響が大きい弱者を対象とすべきだとも訴えた。

  「政策による大規模な支援措置にもかかわらず、良好なシナリオにおいてすらパンデミックは世界各国の社会経済的構造を損なうことになる」とブーン氏は論じた。

  OECDは、日本の21年成長率を2.3%と予想。ユーロ圏は3.6%と予想した。

原題:OECD Cuts Global Forecast, Warns Governments to Maintain Support、OECD Forecasts OECD Countries’ GDP -5.5% in 2020; +3.3% in 2021(抜粋)

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