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「見捨てられた」ロンドン、株やデリバティブ拠点がEUに続々開設

  • ロンドン証券取引所などが欧州大陸に株取引の拠点開設
  • デリバティブ取引も1月からEUに拠点必要-数兆ドル相当のリスク

ロンドンの金融街シティーは、ビッグバンとして知られる故サッチャー元英首相の規制緩和で黄金時代を迎えたが、今後は緩やかに解体されていくとの懸念が深まっている。金融サービスに関する協定ができないまま英国の欧州連合(EU)離脱移行期間終了が近づくのに伴い、幾つかの企業がEUに事業を移すことを発表した。

  英時間30日午前8時(日本時間同午後5時)には、ロンドン証券取引所グループの株取引プラットフォーム「ターコイズ欧州」がアムステルダムで稼働する。CBOE欧州やアクイス・エクスチェンジも英国の合意なきEU離脱に備えた計画の一環として大陸に取引拠点を開設した。ロンドンが株取引に欠かせない場所となった1980年代の終わりからは隔世の感がある。

  アクイスのアラスデア・ヘインズ最高経営責任者(CEO)は、「ロンドンのシティーは見捨てられた」と述べ、ブラックロックなど米資産運用会社の大手がパリやアムステルダムで取引すると決めればロンドンは予想以上に株取引のシェアを失うだろうと付け加えた。

  先週は、ゴールドマン・サックス・グループが株取引プラットフォーム「SIGMA・X欧州」を来年1月4日にパリで開設することをフランス当局に申請したと明らかにした。ゴールドマンのパートナー、エリザベス・マーティン氏は1日当たり86億ユーロ(約1兆720億円)相当のロンドンでの欧州株取引の大半がEU域内に移るとの見通しを示した。

ゴールドマン、パリで株取引プラットフォーム開設へ-英離脱後に備え

Europe Calling

London venues currently have a 30% share of trading in European stocks

Source: Cboe Global Markets

  アクイスはすでにパリにプラットフォームを確立しており、今月から1700銘柄余りの欧州株取引を開始した。別の取引所のリクイッドネットはダブリンに出先機関を置いた。

  昨年アムステルダムに取引施設を開設したCBOE欧州のデービッド・ハウソン社長は「1月4日のビッグバンを予想している」とし、 「業界がこれほど多くのフローを一夜にして移す必要があったことはない」と述べた。

  株式だけではない。EUの市場監督当局は先週、来年1月からデリバティブ(金融派生商品)をEU域内に拠点を置くプラットフォームで取引しなければならないとの判断を示した。英国にとっては、数兆ドル相当の取引が国外で行われるリスクを意味する。

原題:
London ‘Thrown to the Lions’ With No Brexit Finance Deal Likely(抜粋)

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