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ANAHD:公募増資で最大3321億円調達、新型機購入や債務返済

更新日時
  • ボーイング787型機の購入含む設備投資資金、余れば債務返済も
  • JALと並んで公募増資に踏み切る、新型コロナの長期化へ備え

ANAホールディングス(HD)は27日、公募増資で最大約3321億円を調達すると明らかにした。新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が高まる中、機材の購入費用などに備えるため追加の資金調達に踏み切る。

Operations at Haneda Airport Ahead of ANA and JAL Earnings

閑散とする羽田空港のロビー(10月25日)

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  ANAHDの発表によると、公募増資は同日開催の取締役会で決定。調達資金のうち2000億円をボーイング787型機の購入含む設備投資資金に使い、残りを長期債務の返済資金に充当する。国内と海外で計約1億2631万株を新たに発行し、公募価格は12月7日にも決定する。

  これとは別に、オーバーアロットメントによる売り出しを最大で1369万株を予定しており、野村証券を引受先として同数の株を第三者割当増資で発行する。

  ANAHDの中堀公博グループ経理・財務室長(執行役員)は同日のオンライン会見で、1億4000万株の発行となった場合の希薄化率は29.5%となるとし、「財務の健全性を保ったまま、スピード感を持って事業構造改革を推進する上ではこの規模の資本調達が適正」との認識を示した。

  航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、今回の公募増資を「アフターコロナの成長に向けた資金調達」と評価。ボーイング787型機については、柔軟に乗員のやりくりができるほか、座席の調整が容易で貨物の積載も可能、といった利点があると述べた。

  ANAHDの発行済み株式総数は約3億4850万株。今回の公募増資により株式数は約36%増え、現在の株価から計算すれば3000億円を超える金額を調達できる計算となる。

  公募増資の共同主幹事は野村証券と米ゴールドマン・サックス・グループ、SMBC日興証券が務める。

コロナ終息後

  競合する日本航空( JAL)は今月6日、ANAHDに先行する形で公募増資を 発表。新型コロナワクチンの開発進展という外部要因にも助けられ、調達額は当初計画を上回る最大約1826億円になる 見通しだ。コロナ終息後を見据えた視線を評価し、投資家の需要は旺盛だった。

  ANAHDの増資については、これまで日本経済新聞などが2000億円規模で検討していると報道していた。

  新型コロナによる移動制限などにより需要が蒸発したことで世界の航空業界は苦境に陥っており、国際航空運送協会(IATA)の予想によると今年と来年の業界の合計損失額は約1575 億ドル(約16兆円)に達する。

  今期(2021年3月期)に5050億円の巨額営業赤字を見込むANAHDは従業員の外部企業への出向や機材の圧縮などによるコスト削減の一方、劣後ローンで4000億円を調達し財務強化を図っていた。

  ANAHDの中堀氏は、劣後ローンと今回の資本増強によって年度末の自己資本比率は9月末の32%とほぼ同水準まで回復させることができるとの見通しを示した。その上で、事業改革を進めることでコロナ禍前に目安としていた自己資本比率40%に「一刻も早く戻したい」と述べた。

(会社や識者のコメントを追加して更新します)
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