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次期財務長官に指名予定のイエレン氏、FRBとの協調関係強化へ

  • 年末で失効とされるFRBの緊急融資プログラムの復活目指すか
  • 共和党の反発を招きかねない動き回避に注意を払う見込み

バイデン次期米大統領が財務長官に指名する計画のジャネット・イエレン氏は、連邦準備制度との協調関係の強化を図るのがほぼ確実と考えられる。イエレン氏はその一方で、共和党の反発を招きかねない特定の動きは避けるよう注意を払うものと見込まれる。

  連邦準備制度理事会(FRB)議長時代も含め、連邦準備制度の高官としてイエレン氏は計20年近くにわたり、経済的な緊張の局面で与信の流れを確保するのに、財務省との協力がいかに重要であるかを目の当たりにしてきた。

Powell, Bernanke & Yellen Speak At ASSA 2019 Annual Meeting

イエレン前FRB議長

Photographer: Elijah Nouvelage/Bloomberg

  上院で指名が承認された場合、イエレン氏が最初に取り組むのは、ムニューシン財務長官が年末の失効を表明したFRBの5つの緊急融資プログラムを巡る対応の決定だ。

  連邦準備制度は新型コロナウイルス禍に対応するこれらプログラムの延長を望んでおり、財務省との間で摩擦が生じている。イエレン氏はプログラム復活のための法的権限が自分にあるか判断しなければならないだろう。

  ムニューシン長官はコロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法に基づく連邦準備制度のプログラムの資金うち、未使用分の返還をFRBに要請するとともに、返還資金を同省の一般基金に組み入れる方針。一般基金の資金を使用するには議会承認が必要とされるため、イエレン氏は一段と難しい対応を迫られることになる。

次期米財務長官のFRB未使用資金の利用、議会承認必要になる見通し

  計9つあるFRBの緊急融資プログラムのうち5つを失効させ、未使用資金を財務省に返還させるムニューシン長官の動きはいずれも民主党側の批判と、それに対する共和党の反論を引き起こした。イエレン氏が次期財務長官として直面するであろう緊迫した政治状況を浮き彫りにした形だ。

  イエレン氏は新たな包括的経済対策の通過を議会に働き掛ける必要もある。米株価が最高値を更新し、金融状況が緩和していることから、イエレン氏には方向転換を先延ばしにするだけの余裕が生じるかもしれない。

  元FRBエコノミストで現在はバークレイズの米国担当チーフエコノミストを務めるマイケル・ゲーペン氏は、FRBのプログラムの一部については「差し迫った必要性が低下したのは確かだ」とし、金融市場で顕在化するような「脆弱(ぜいじゃく)性があるかどうか」をイエレン氏は静観する公算が大きいとの見方を示した。

FRBの緊急融資プログラム失効予定
プライマリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー12月31日
セカンダリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー12月31日
地方自治体流動性ファシリティー12月31日
メインストリート貸し付けプログラム12月31日
ターム資産担保証券(ABS)ローン・ファシリティー12月31日
コマーシャルペーパー資金供給ファシリティー90日間延長
マネーマーケット・ミューチュアル・ファンド流動性ファシリティー90日間延長
プライマリーディーラー信用ファシリティー90日間延長
給与保証プログラム(PPP)流動性ファシリティー90日間延長

原題:Yellen Set to Restore Treasury-Fed Cooperation, With Eye on GOP(抜粋)

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