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ギリアドのレムデシビル、コロナ治療に使用しないようWHO勧告

更新日時
  • 米食品医薬品局はレムデシビルをコロナ治療向けに先月承認
  • 生存の可能性を改善させる証拠ない-WHO専門家パネル

世界保健機関(WHO)は米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬レムデシビルについて、新型コロナウイルス感染症(COVID19)の入院患者の治療に使用しないよう勧告した。米食品医薬品局(FDA)は先月、レムデシビルをコロナ治療向けに承認したばかりだった。

  コロナ治療に関する指針をまとめているWHO専門家パネルは、レムデシビルが「生存の可能性を改善させたり人工呼吸の必要性を減らす証拠は現在ない」と医学誌BMJに掲載された勧告で指摘した。

  レムデシビルは既にコロナ治療に幅広く利用されており、トランプ米大統領が10月に感染した時にも治療に使われた。

  WHO主催のグローバル試験「Solidarity」でコロナ患者の死亡率改善の効果は認められなかったとする結果が先月公表されたことを受け、専門家パネルは今回の勧告を行った。同パネルはさらに別の3つの試験データについてレビューを行い、患者の臨床的改善にかかる時間に対し「有意義な効果は認められなかった」と判断した。

レムデシビルのコロナ治療効果に疑問呈した試験結果、科学者は擁護

  Solidarity試験の結果が公表されたのは10月15日。FDAはその1週間後にレムデシビルを承認した。

ギリアドのレムデシビル、コロナ治療でFDA承認薬第1号に

  ギリアドは19日の発表資料で、これまでに論文審査を経て医学誌に掲載された複数の研究結果では、レムデシビルが特にCOVID19からの回復に要する時間の短縮といった点で効果が示されていると指摘。これは対応能力の限られた病院に余裕を与え得るとした。

  ギリアドは「世界中で感染件数が劇的に増加し、約50カ国でCOVID19治療薬の第1号として承認された唯一の抗ウイルス薬であるベクルリー(レムデシビルの商品名)に医師が依存する中で、WHOの指針がこのエビデンスを無視しているように見えることに失望した」とコメントした。

  加藤勝信官房長官は20日午前の閣議後会見で、レムデシビルのコロナ感染症治療薬としての承認について「厚生労働省において特段、承認について見直す必要はないというのが現時点での認識」だと述べた。

レムデシビルの承認、現時点で見直す必要ない-加藤官房長官

  ギリアドの株価は時間外取引で一時1.9%下落した。

原題:WHO Advises Doctors Not to Use Gilead’s Remdesivir for Covid (2)(抜粋)

(ギリアドのコメントや加藤官房長官の発言を追加して更新します)
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