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任天堂「あつ森」利用で異例の指針、政治や企業営利では禁止も

更新日時
  • バイデン氏や香港の民主活動家も活用、人気を背景にSNS的存在に
  • 使われ方が任天堂の思惑超え、「警戒感」生まれる-専門家

任天堂は19日、家庭用ゲーム機スイッチの人気ソフト「あつまれどうぶつの森(あつ森)」を企業や団体が利用する際の指針を公表した。団体やその代表者による利用が相次ぐ中、政治主張や利益目的は控えるよう呼び掛ける内容で、オンラインゲームの社会的な影響に配慮する異例の対応となった。

  発表によると、自身が作成した島へのユーザー招待や共有サイトへの映像掲載などは認めた。一方、「暴力的、差別的など他の顧客を傷つける恐れや政治的な主張を含む表現」や、「商品購入サイトへの誘導、景品の提供、SNSアカウントのフォローの要求、他の顧客情報の取得」などのマーケティング行為の自制を求めた。

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米大統領選候補だったバイデン氏の「選挙本部」

  その上で、利用が「コミュニティーに影響を与えたり、傷つけたりする可能性があると判断した場合」や、利用指針に背いた場合には「将来的な本ソフトの利用禁止」などの措置を取ることがあるとしている。個人ユーザーによる収益化目的の利用は一定の条件で認めている。

  あつ森は本来ゲームだが、SNS(会員制交流サイト)のような使われ方も目立つ。香港の民主活動家がオンライン上での活動に使ったほか、米大統領選ではジョー・バイデン氏があつ森の中に「選挙本部」を開設した。一方、自民党総裁選では石破茂氏が活用を検討したが、利用規約違反との指摘を受けて断念した。

  静岡県立大学国際関係学部の飯野勝己教授は、ゲームは著作物で使い方は基本的に自由だが、あつ森の大ヒットにより、「任天堂の思惑を超えてどんどん勝手に進んでいる」と指摘。次第に社会的な影響を持つようになり、任天堂に「警戒心が生じてきたのだろう」と話した。

  ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどのSNSでは、組織犯罪を支援するなど利用規約に違反した投稿などは場合によって、削除やアカウントを停止するなどの措置を取っている。

  国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授は、巨大ユーザーを背景にあつ森はコミュニケーションの場として機能するようになり、「ある意味SNSと同じ扱いになってきている」と分析。任天堂には社会的責任があり、「イメージを損なうような活動をされるとマイナスになる」と述べた。

  任天堂が5日発表した7-9月期決算は、新型コロナウイルス禍で巣ごもり需要が高まる中、3月に発売したあつ森がけん引役となり、連結営業利益は前年同期の2.2倍の1467億円となった。あつ森の累計販売は2604万本に上る。

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