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緩和長期化の副作用に配慮、ETF購入に工夫余地-政井日銀委員

更新日時
  • ETF買い入れ当面続ける、伝統的政策の波及経路は弱まっている
  • 追加付利制度は副作用対策ではない、市場は好意的に受け止め

日本銀行の政井貴子審議委員は16日、金融緩和長期化の副作用に配慮した政策対応の重要性を指摘し、上場投資信託(ETF)買い入れのさらなる柔軟性向上など工夫の余地を議論する必要があるとの見解を示した。道東地域金融経済懇談会での講演と記者会見で述べた。

  政井委員は、新型コロナウイルス感染症の影響で2%の物価安定目標の実現は「ますます時間がかかる可能性を強く意識する必要がある」と指摘。「さらなる金融緩和の長期化を踏まえて政策運営にあたる必要がある」とし、金融緩和の長期化に伴う副作用に「一層配慮し、政策の持続性を担保するために、より幅広い観点から政策対応していくことが極めて重要になっていく」と主張した。

  ETF買い入れについては、低金利長期化の下で「政策金利を用いた伝統的な金融政策の波及経路を通じた金融緩和効果が弱まっている」中で、「フォワードガイダンスなどとともに、緩和効果を高めるためのツールボックスの中に当面、あり続ける」と指摘した。

  導入から10年が経過したことで「保有残高が相応の規模になっているのも事実」とし、「今後もさらなる柔軟性向上や市場の育成といった観点を含め、工夫の余地がないかなど前広に議論を重ねていく必要がある」と述べた。

      

Key Speakers at the Annual Boao Forum

日銀の政井貴子審議委員

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  日銀は今月に入り、経営統合などによる経営基盤の強化を要件とした地方銀行や信用金庫への追加付利制度の導入を決めた。同制度には緩和長期化による副作用対応の面もあるのかとの質問に対しては「金融政策ではなく、プルーデンス政策として決定した。副作用に配慮したということではない」と語った。

  金融政策との関係など「報道などでは本制度についてさまざまな意見があることを承知しており、正直、考えさせられる部分もあった」とする一方、公表後に地銀の株価が上昇したことに言及し、「ひとまず市場からは好意的に受け止められたのではないか」との見方を示した。

(記者会見の内容を追加して更新しました)
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