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バイデン次期大統領の経済プラン、高成長演出で雇用回復を狙う

  • 失業者に必要なのは再訓練だという「技能ギャップ」説に疑念
  • 連邦準備制度を含む当局者も需要喚起の必要性巡り認識深める

新型コロナウイルス禍の経済の落ち込みから、米国に完全雇用を取り戻すバイデン次期米大統領の計画の背後には、長らく忘れ去られていたアイデアがある。それは、失業者に必要なのは新たな技能の習得ではなく、雇用そのものだという考えだ。

  高成長を演出して経済回復を確実にするこのアプローチは今や、連邦準備制度も含む当局者の間で再び受け入れられている。政府があらゆる手段を用いて経済を刺激し、人々の再雇用に十分なだけの力強い需要を喚起すべきだというのがその趣旨だ。

  これは、近年のリセッション(景気後退)後に主流だった技能ギャップの考えとは対照的だ。再訓練で新たな技能を身に付けない限り、職を失った米国人の多くは再雇用の見込みはないというのがこの主張の論旨だった。

Key Speakers At The Monetary Policy Strategy, Tools, And Communication Practices Conference

ジャレッド・バーンスタイン氏

写真家:テイラーグラスコック/ブルームバーグ

  米政府は既に新型コロナ禍を受けた計3兆ドル(約314兆円)の経済対策をまとめており、バイデン氏が政府支出のさらなる拡大を意味するアプローチをどこまで推進することができるかは、来年1月にジョージア州で行われる上院議員選挙の決選投票の結果次第となりそうだ。

  民主党が同州で2議席とも確保できれば、一段の景気対策に加えてクリーンエネルギーや子育て支援への投資などのバイデン氏のプランの実現につなげることができる一方、共和党が上院で過半数を維持すれば、一連のプランが妨げられる可能性がある。

  オバマ前政権でバイデン氏のチーフエコノミストを務めた経歴を持ち、現在も顧問の1人であるジャレッド・バーンスタイン氏は「労働者に十分な職がなければ、彼らがどんなに多くの技能を習得しようと意味がない。不完全雇用が続くことになる」と指摘した。

  10月にインタビューに応じたバーンスタイン氏は、「歴史的に見ると、技能ギャップ説は政府や連邦準備制度の介入を促すのを避けるために利用されてきた」と述べた上で、「基本的に、問題があるのは労働者であって経済ではないというこの議論は、何度も誤りであることが証明されてきた」と話した。

Fed raised its estimates of the 'natural rate' after the 2008 crash
U.S. limited unemployment blow with direct payments to households

原題:
Run-It-Hot Wins Argument Over How to Get Americans Back to Work(抜粋)

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