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Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg
Cojp

日本の経済成長率52年ぶり高水準、消費や外需持ち直す-7~9月

更新日時
  • 前期比5.0%増、年率21.4%増-個人消費4.7%増、輸出7.0%増
  • コロナ感染者増で先行き楽観できる状況でない-第一生経研の新家氏

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2020年7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で21.4%増と、旧基準も含めた1955年以降で1968年以来の大幅な伸びとなった。プラス成長は4四半期ぶり。新型コロナウイルス対応の政策効果に加え、世界的な経済活動再開などが回復を後押しした。内閣府が16日発表した。

  緊急事態宣言が全国的に解除された7-9月期は、外出自粛の反動や一連の政策対応を受けて、GDPの過半を占める個人消費が大幅に増加。海外景気の持ち直しに伴い輸出もプラスに寄与した。一方、先行き不透明感から企業の投資マインドの改善は進まず、設備投資は減少が続いた。

キーポイント
  • 7-9月期実質GDPは前期比5.0%増、年率換算21.4%増(ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ4.4%増、18.9%増)-前期はそれぞれ8.2%減、28.8%減
  • 個人消費は4.7%増(予想5.2%増)-前期8.1%減
  • 設備投資は3.4%減(予想2.9%減)-前期4.5%減
  • 輸出は7.0%増、輸入は9.8%減-外需寄与度は2.9%

西村康稔経済再生担当相(GDP発表後の記者会見):

  • 4、5月を底に景気は持ち直しの動き継続を確認、1次、2次補正の政策効果あり着実に戻っている
  • 経済はコロナ前の水準を下回った状態にある、まだ回復途上
  • 国内感染者増による個人消費の下振れリスクに注意必要、感染拡大抑制に全力を挙げていきたい
  • 攻めのマインドになってきていない-設備投資マイナス
  • 30兆円を上回るGDPギャップ想定、経済対策はマクロの視点からも規模感考える必要
  • 22年に経済をコロナ前に戻す見通し立て実行していく、経済回復の前倒しには成長力を強化しなければならない
個人消費や輸出が回復

エコノミストの見方

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト:

  • 外需と消費にけん引され7-9月期の戻りは予想されていたよりも強かった
  • ただ足元で海外、国内ともに感染者数が増加しており、先行きについてとても楽観できるような状況ではない
  • 今後成長率が鈍化していくのは間違いない。以前の水準まで戻るには相当時間がかかる
  • 日銀は今後も引き続き現在の緩和姿勢を維持せざるを得ない

IHSマークイットの田口はるみ主席エコノミスト:

  • 消費はGoToなどの政府の政策が効いたと思う。ただ企業投資はマイナス幅が思ったよりも大きかった。10月になっても改善している感じではなく、企業収益が落ちて需要回復が見込めない中で相当投資を手控えているので、この傾向が続く可能性がある
  • 感染率がまた高まってきていて雇用を控える企業も出てきているので、雇用情勢はまだまだ厳しい。政策効果が切れてしまうと所得が低い中で消費も減速してしまう可能性がある。まだまだ楽観できない
  • 1-3月期くらいまで感染再拡大の影響で思ったほど景気が回復しないという状況が続くかもしれない

詳細(内閣府の説明)

  • 個人消費は現行基準で比較可能な1980年以降で過去最大
    • 外食、娯楽サービス、自動車、宿泊などがプラス寄与
  • 設備投資は2四半期連続のマイナス、生産用機械への支出減少に寄与
  • 輸出は3四半期ぶりのプラス、自動車が増加に寄与
  • 輸入は2四半期ぶりの減少、原油天然ガスが減少に寄与
  • 実質GDPは現行基準で比較可能な1980年以降、前期比・年率ともに過去最大

背景

  • 内閣府は10月の月例経済報告で、景気は「持ち直しの動きがみられる」との総括判断を継続。項目別では個人消費を上方修正、輸出は「持ち直している」を維持
  • 9月の輸出は前年同月比4.9%減少したが、マイナス幅は4カ月連続縮小。中国向けは18年1月以来の高い伸び、米国向けも14カ月ぶりにプラス
  • 菅義偉首相は11月10日、経済の持ち直しに向けた追加経済対策の策定を指示

   

(詳細や西村再生相とエコノミストのコメントを追加して更新しました)
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