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ファンドマネージャー持ち分の値上がり益、所得税低減を検討-文書

更新日時
  • 値上がり益に関する所得税法上の区分を税率20%の金融所得と明確化
  • 国際金融都市への取り組み、菅政権は税制・制度面の改善に着手

政府は、ファンドマネージャーが保有するファンドの持ち分の値上がり益に課す所得税について、より低い税率を適用するよう基準の明確化を検討している。実現すれば、税率は事実上、従来の最大55%から20%に下がり、中国の統制が強まる香港など海外からの資産運用会社の受け入れを促したい考えだ。ブルームバーグが入手した文書と複数の関係者の話で明らかになった。

  文書と匿名を条件に述べた複数の関係者によれば、ファンドの持ち分の値上がり益に関する所得税法上の区分を原則、税率20%の金融所得と明確化する。ファンドマネージャーが報酬として受け取る値上がり益を巡る区分はこれまで不明確となっており、最大55%の累進課税が適用される給与・事業所得とみなされる場合もあった。

  契約や業務の内容、ファンドの性質によってはこれまで通り、給与・事業所得に区分される場合もあるという。ファンド運用会社の役員報酬などは引き続き給与・事業所得に区分される。財務省や金融庁、国税庁などで詳細を検討している。

Japan’s Topix Set for Lowest Close Since August on Europe Woes

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  財務省は、金融庁の税制改正要望に基づき、引き続き検討しており、コメントを控えると述べた。

  税率の低減は政府が進める国際金融都市へ向けた取り組みの一環。菅義偉政権は、シンガポールなど競合国に見劣りする税制・制度面の改善に着手している。

  大和総研金融調査部の是枝俊悟主任研究員は「シンガポールや香港などと遜色ない税制になり、十分競争できる」と言う。富裕層優遇との懸念に関しては、「誘致しない限り、新たな税収は生まれない。単純に高所得者なのに税負担が軽くなるという事実だけではなく、新たな産業を誘致することは日本の経済成長に資すると捉えるべきだ」と語った。

各国の所得税率

日本香港シンガポール
給与所得(最大)55%17%22%
金融所得(一律)20%0%0%

出所:財務省やJETROの各種資料やウェブサイト、日本は個人住民税含む最高税率

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